検索エンジンの取り組み
業界の雄“Google”も、ソーシャルメディアへの取り組みは積極的だ。「Google Buzz(グーグルバズ)」と呼ばれるTwitter同様のサービスを、Gmailの機能追加という形でリリースした。リリース後間もないサービスのため、今後の展開を占うには時期尚早だが、ソーシャルメディア関連のサービスに注力しようとするGoogleの姿勢は十分に見てとれる。
なお、本業の検索サービスにおいても、米国で先行開始していた「リアルタイム検索」を日本でも開始し、数秒前から数分前のニュース、ブログに投稿された記事、TwitterやFacebookに投稿されたつぶやきを、検索結果にリアルタイムに表示するようになった。
一見、非常に有益そうに見えるリアルタイム検索だが、ユーザーは、自身の検索意図に合致する『新鮮で価値のある情報』が表示されたときにはじめて、リアルタイム検索の恩恵を受けることができる。ただ単に、誰かのつぶやきがリアルタイムに表示されるだけの状態では、お世辞にもユーザーがリアルタイム検索の恩恵を受けているとは言えない。
『新鮮で価値のある情報』を検索結果に表示するための判断軸は現在のところ、フォロー数やフォロワー数、つぶやきの投稿頻度、つぶやきに含まれる要素(リンク等)の分析結果と言われている。
しかし、Twitterは、1人のユーザーが複数のアカウントを容易に作成することができ、フォロー数やフォロワー数を意図的に操作することいったスパム行為も技術的には可能である。また、つぶやきの投稿に関しても、Bot(ボット)と呼ばれる自動的に実行するプログラムに任せてしまえば、簡単に大量につぶやきを投稿できる。そのため、こういったスパム行為をどのようにフィルタリングし、より価値のあるサービスとして、どのようにリアルタイム検索を提供していくのかといった課題が残されていることも事実である。
一方Yahoo!は、誰かのつぶやきを“そのまま”検索結果に表示するのではなく、情報(つぶやき)を分析・加工したうえで、何らかの形で検索結果に表示するとしている。おそらく、いかにして『新鮮で価値のある情報』を提供するのか、という課題に取り組もうということであろう。