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アイレップの現場担当者に聞く「アクセス大幅向上作戦」

Twitterが変える?Webマーケティングの未来


TwitterがもたらすWebマーケティングの未来像

 Webマーケティングであっても、オフラインのマーケティングであっても、マーケティングの本質とは競合との差別化であり、いかにして自分たちのサービスや商品を選んでもらうか、いかにしてファンになってもらうか、いかにしてファンであり続けてもらうかという戦いを競合他社との間で展開することである。専売特許のサービスや商品を販売していない限り、この戦いから逃れることはできない。Twitterは、このような競合他社との差別化合戦に、新しい風を吹き込む存在になるかもしれない。

 ここで、ドイツの高級自動車メーカー メルセデス・ベンツ社の事例(オフラインを含む)をもとに考えてみよう。

 ご存知のようにメルセデス・ベンツ社は、世界に名を馳せる高級自動車メーカーであり、中には1,000万円オーバーの超高級車も取り扱っている。主な顧客は、いわゆる富裕層と呼ばれる人々だ。これらの事実から、一般の消費者には「手の届かない存在」「雲の上の存在」といったイメージが定着していると考えられる。

 しかし、実際には取り扱い車種のすべてが高額というわけではなく、一部の車種ではあるものの、一般的な国産自動車と比較しても決して高くはない価格帯で購入可能な車種も存在する。

 昨今同社は、先述の一部車種について、WebサイトやTV広告を使って“実は手が届く”といった旨の訴求を展開している。ごく現実的な価格帯で「高級車に乗るというステータスが手に入る」という競合他社との差別化だ。

 また、購入後のメンテナンスを一定期間無料でサービスするという訴求も行っている。この訴求には「高級外車=維持費が高い」というユーザーの不安を払拭するねらいがあるだろう。これも一種の競合他社との差別化だ。

 なお、このメンテナンスサービスを同社では「メルセデスケア」という名称で呼んでおり、『メルセデスケアまで含めて、私たちの製品です。』といったアナウンスを行っている。まさに、自分たちのファンになってもらい、ファンであり続けてもらうためのマーケティング戦略であろう。

 さて、話をTwitterに戻すが、先にも紹介したように、Twitter上では「ゆるい」コミュニケーションが取り交わされている。例えば、家電量販店で電化製品を探している顧客に、店員が「何かお探しですか?」と気軽に声をかけられる状態とよく似た環境が、Twitter上には、既に構築されている感がある。

 一歩間違えば“炎上”という想像もしたくない事態を引き起こしてしまう可能性もあるが、基本的には、ユーザーと一対一のコミュニケーションを「ゆるく」、いやみなく取り交わすことができる場である。それによって、競合との差別化を図ることや、自分たちのファンになってもらうこと、ファンであり続けてもらうことをアシストすることが十分に可能であろう。

 マーケティングの本質をしっかりと理解し、Webサイトを通して「顧客とどういうコミュニケーションを図りたいのか」という明確なビジョンがあるならば、これほど強力なツールはないだろう。

 とはいえ、このTwitter人気も、現在はアーリーアダプターと呼ばれる、一部の流行に敏感なユーザの間で盛り上がっている段階であり、決して広く一般に人気を博している状況ではない。しかし、今までのWebに対する印象は、どちらかと言えば“無機質な空間”という印象だった。そこに、Twitterのようなリアルタイムにたくさんの人とコミュニケーションができるサービスが登場したことで「人の気配」が感じられる空間へと変化を遂げてきているように感じる。

 Webマーケティングの中核であるSEOもリスティング広告も、キーワードを軸としたユーザーと情報の接点を最適化することに関しては非常に長けており、これまでもこれからも、Webマーケティングの中核をなすことに大きな変化はないだろう。

 しかし、インターネットが普及する前の状態に回帰したとさえ思える「人と人とのつながり」という、TwitterなどのSNSがもたらす新しい風は、Webマーケティングの未来に何らかの変化与えるのではないだろうか。

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この記事の著者

山下 宜隆(ヤマシタ ヨシタカ)

株式会社アイレップ SEOグループ SEOチーム ディレクター

1979年生まれ。高校卒業後、美容専門学校に進学。専門学校在学中より美容やヘアメイクの仕事に従事。その後、Web業界へ転身。WebデザインやHTML/CSSのコーディング等、多岐にわたるWebサイト制作・運営の経験を経て、2008年アイレッ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/04/22 14:05 https://markezine.jp/article/detail/9720

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