Omniture Summit(オムニチュアサミット)は、アドビ システムズ社の1ビジネスユニットであるオムニチュアが年に一度開催するユーザーカンファレンス。実践的なノウハウから最新のオンラインマーケティングのトレンドまで、50以上におよぶ講演が行れている。
基調講演にはアドビ システムズ社 オムニチュアビジネスユニット担当 シニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャー、ジョシュ ジェイムズ氏が登壇。今回のテーマである「Lead the next digital decade」を引き合いにだし、「今まで、CFO(Chief Financial Officer:最高財務責任者)、CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)とデジタル業界においてリーダーシップを握る役割は変化してきたが、次の10年はCMO(Chief Marketing Officer:最高マーケティング責任者)の時代になる」と予測。そのCMOの成功を支援するのが、アドビシステムズとオムニチュアだと強調した。そして、オムニチュアが提供する製品群の新版「Omniture Online Marketing Suite 2.0」が発表され、いくつかのデモも行われた。
今回の目玉となるのが世界最大のSNS「Facebook(フェイスブック)」との連携。自動入札ツール「SearchCenter(サーチセンター)」からのFacebookへの広告出稿や、Web解析ツール「SiteCatalyst(サイトカタリスト)」での効果測定などの機能が追加される。
ここで、フェイスブック社のマネタイジング部門バイスプレジデントであるダン・ローズ氏も登壇。Facebookの現状やキャンペーンの成功事例を紹介した。
Omniture Online Marketing Suite 2.0では、ディスプレイ広告に向けた機能も強化される。SiteCatalystの顧客セグメントデータを使用した広告出稿の最適化や、米国を中心とした大手アドネットワークへの動的なリマーケティングなどが可能になる。講演内では、テストツール「Test&Target(テストアンドターゲット)」を利用してFlashで作成されたディスプレイ広告内のテキストや画像を、サイト内での行動履歴に基づいて自動的に変更するデモも行われた。
その他にも、英Experian社との提携拡大により「SiteCatalys」内で匿名人口統計データを利用した顧客セグメントの特定なども可能になるなど、さまざまな機能強化が行われる予定となってる(各機能・ソリューションにより、日本での提供は未定のものもある)。
また、今回は昨年10月のアドビ システムズ社によるオムニチュア社買収以来、初の開催となり、アドビ システムズ社 CEO シャンタヌ ナラヤン氏も講演。統合によって実現するソリューションや今後のビジョンについて語った。
Creative SuiteやFlashプラットフォームなどのアドビ システムズ社が提供する製品・ソリューションは、サイト作成やコンテンツ配信など、オンラインビジネスにおける制作や開発のステージで利用されている。オムニチュア製品がそのラインナップに加わることにより、計測や最適化といった運用面までをアドビ システムズ社の製品群が、ワンストップでカバーすることが可能になる。
今後、Creative Suiteなどのアドビシステムズ製品に対してオムニチュアの技術が統合されていくことで、コンテンツ製作の段階から解析用のチューンナップができるようになる予定だ。
この後も、2日間に渡りさまざまな講演が行われる。なお、MarkeZineでは後日、レポートを公開していく予定だ。
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