アクセス解析ツールとボット
Google Analyticsに代表されるJavaScriptを使ったアクセス解析ツールや、画像を埋め込むことでアクセスを解析するシステムの場合、アクセスログを直接解析する場合比較して、アクセスの中にボットが含まれる可能性は現在のところ、少なくなっています。
これは、多くのボットがWebページ、つまりHTMLをターゲットとしていることや、JavaScriptを解釈して実行する機能を持たないことが多いため、アクセスを記録するサーバーにボットの足跡が残らないからです。

従って、そうした仕組みを利用したアクセス解析では、アクセス数はブラウザからのアクセスに比較的近い値になります。しかし、特に画像を使った解析手法を利用している場合、稀にロボットがアクセスしてくることがあり、完全にブラウザからのアクセスだというわけではありませんので、その点を踏まえて解析結果を見る必要があります。
また、JavaScriptにしても、現在はボットのほとんどが解析を行っていない、というだけの話であり、将来どうなるかはわかりませんので、常に新しい情報を仕入れるようにしておいた方がいいでしょう。実際、GoogleのクローラーはJavaScript(やFlash)を解析するようになってきていると言われています。
またこうした解析手法では、大部分のボットのアクセスがはじかれるということは、逆を言えば、ボットがどれくらいアクセスをしてきているかを知ることはできないという意味になります。
アクセス解析の目的が、ユーザーの動向を知ることだけなのであれば、それで問題はありません。しかし、現在のボットのアクセス状況を知りたい場合には、逆にこうしたタイプの解析手法では不十分であることになります。
また、アクセスログを解析するタイプのツールの場合、検索エンジンのクローラーなど判別が簡単なボットについては別途解析を行ってくれますが、ブラウザからのアクセスを偽装したようなアクセスは、なかなか区別してくれないでしょう。
つまり、アクセスログを分析するタイプのアクセス解析ツールの場合、アクセス数にボットが含まれる可能性は十分にあることは意識しておいた方がよいでしょう。従って、必要に応じて(例えば突然アクセスが理由無く増えたり、おかしな時間に大量にアクセスがあった場合など)、生ログを見てボットの有無を判断した方がよいでしょう。
もちろんここでは、ボットを解析すべきか否か、JavaScriptを使ったアクセス解析がいいのか悪いのか、といった話をしているのではありません。ただし、アクセス解析ツールの種類は、アクセス解析の目的によって選ぶべきだということはお分かりいただけると思います。