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総力特集:10年後も勝ち抜くEC・ネット通販最新戦略

“楽天市場は少なくとも今の倍以上に成長する”
国内最大手が見据えるこれからのEC

 広告収入メインのWeb企業が低迷する中、不景気が招いた「巣ごもり消費」を追い風に、ECモール最大手の楽天市場は順調に成長を続けている。社会に浸透した感もあるECだが、成長のポテンシャルはどの程度残されているのだろうか。楽天株式会社の藤田氏に楽天市場の現状や、ECの将来について話を聞いた。【総力特集!10年後も勝ち抜く EC・ネット通販最新戦略】

流通総額8000億円突破も「少なくとも倍以上は確実に取れる」

 楽天市場・ブックスの2009年流通総額は約8000億円。1兆円越えも手の届くところにあるが、楽天のマーケティング部副部長を務める藤田浩平氏は「日本のEC化率はアメリカの半分程度。今後、少なくとも現状の倍以上は確実に取れる数字だ」と読んでいる。

楽天株式会社
楽天市場事業マーケティング部 副部長
藤田浩平氏
楽天株式会社 楽天市場事業マーケティング部 副部長 藤田浩平氏

 経済産業省の「平成20年度電子商取引に関する市場調査(PDF)」によると、BtoC向けEC市場規模は2008年に6.1兆円。EC化率は、国内流通総額のうちECが占める割合を示す指標だが、現状では1.8%となっている。

 近年、客離れが進む百貨店の2009年売上高は約6.6兆円。頭打ちとなってきたコンビニエンスストアの同売上高が約7.9兆円。BtoC向けEC市場が毎年10%~20%程度の成長率で推移していることを考えると、2009年~2010年の間に、ECが百貨店・コンビニを追い抜く公算は高い(参考:日本百貨店業界 平成21年12月・年間百貨店売上高概況社団法人日本フランチャイズチェーン協会 各種統計調査)。

3業界の市場規模の推移
点線部分は前年と同じ成長率で算出した予測値
(※経済産業省、日本百貨店協会、日本フランチャイズ協会データより編集部で作成)
3業界の市場規模の推移:点線部分は前年と同じ成長率で算出した予測値(※経済産業省、日本百貨店協会、日本フランチャイズ協会データより編集部で作成)

日用品にまで広がった商品分野

 ECは規模だけではなく、利用される商品分野も広がってきている。ECと言えば、以前は書籍・CDや家電などの型番で探せる「型番もの」がまず思い浮かんだものだが、最近では日用品などもECで買われるようになってきているという。

 「型番ものは価格でリアル店舗と差別化しやすい。そこからECに引き込まれ、徐々に楽天のポイントなどにもメリットを感じてもらえるようになり、日用品も買われ出したのではないでしょうか」

 単価の安い日用品が買われ始めているのは、数値にも表れている。楽天が公開している決算資料によると、1回当たりの購入単価は下降気味。2009年10~12月期は7268円となり、2007年同期の8298円、2008年同期の7844円から下がってきている。一方、1人当たりの購入頻度は増加傾向にあり、2007年10~12月期に3.22回だったのが、2008年同期には3.44回に、2009年同期で3.63回となった。1人当りの購入総額で見ると、ほぼ横ばいを維持している。

楽天市場における購入者分析
1回の購入金額は下がっているものの、平均購入回数などが伸びている
(※決算資料より一部抜粋)
楽天市場における購入者分析:1回の購入金額は下がっているものの、平均購入回数などが伸びている(※決算資料より一部抜粋)

 また、食料品や日用品を扱うネットスーパーの業態も有望。2009年には前年比25.1%増の284億円の市場規模になると見込むレポートもあり、ECで買う商品の対象範囲はますます広がっていきそうだ。

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中嶋 嘉祐(ナカジマ ヨシヒロ)

ベンチャー2社で事業責任者として上場に向けて貢献するも、ライブドアショック・リーマンショックで未遂に終わる。現在はフリーの事業立ち上げ屋。副業はライター。現在は、MONOistキャリアフォーラム、MONOist転職の編集業務などを手掛けている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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