IPサイマルラジオ協議会は、3月15日に提供を開始したパソコン向けのラジオ番組配信サービス「ラジコ」の利用状況を発表した。サービス開始当初はアクセスが集中し、ウェブページにつながりにくい状況も発生したが、サービス開始1週間で、総ストリーム数523万、ウェブページの総PVは約4710万PVと好調だ。これまでは、夕方から深夜にかけて聴取者が増加するのがラジオ放送の聴取パターンと考えられていたが、ラジコでは異なる傾向が見られ、パソコンの利用が新たな聴取シーンを生みだしているようだ。
利用者の反応を見ると、雑音のない高音質のラジオ番組が聴けることが、高い評価を得ており、ラジオの聴取習慣のない人たちからは「聴いてみたらおもしろい」「新しい楽しみが増えた」といった感想が寄せられている。また、ラジオファンだった人たちも「久しぶりにラジオに戻ってきた」と新サービスを歓迎する声が数多く寄せられているという。
今後は、スマートフォン対応、オンエア楽曲の表示などの要望に対応できるよう、ウェブブラウザを起動せずに聴取できる「radikoガジェット」を12日にリリースする。
また、今回のサービスは都市部を中心とした難聴取の解消を目的としたもので、実質的な放送エリア(注)に向けた試験配信という枠組みで提供しているが、エリア外の聴取を可能にするサービスが出てきたことを受けて、IPサイマルラジオ協議会は、ストリーミングのセキュリティを強化することで対応すると発表。エリア外聴取環境の提供、収益を得るものなどラジコの存続を危うくするサービスに対する措置であるとして、理解を求めている。
(注)ラジコの放送エリアは、東京局(TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送、ラジオNIKKEI、InterFM、TOKYO FM、J-WAVE)については、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪局(朝日放送、毎日放送、ラジオ大阪、FM COCOLO、FM802、FM OSAKA)については、大阪府、京都府、兵庫県、奈良県で聴くことができる。
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