深い仮説を立てて受注率UPを狙う
AshiAtoを導入する2つ目の利点は、「どのページ、どの事例に注目していたか」「どんなワードから入ってきたのか」といった分析をすることで、見込み客の状況について踏み込んだ仮説を立てられるようになる点だ。
「『お客様にはこういう課題があるのかな』と仮説立てした上で最初のアプローチができるようになります。『自分のかゆいところをかいてくれた』と評価してもらえたなら、営業担当への評価が上がるかもしれません。営業担当からも『リードの確度が読みやすいので頑張ろう』と思ってもらえることでしょう」と同社 コンサルティング事業本部 オペレーションサービス部 部長の秋谷氏(写真左)は語る。
また、来訪のきっかけになった検索ワードによっては、検索結果ページで自社より上位に表示される競合他社にも問い合わせをしているかもしれない。自社製品が優れている点をアピールすることで、競合との差別化を図ることもできるはずだ。
営業リソースのかかるフォローの手間をAshiAtoで減らせ
AshiAtoを使うメリットの3点目として、サイト閲覧の可視化により、フォロー中の見込み客が「ホットになった瞬間」をいち早くつかめることが挙げられる。
「BtoBの営業は期間が長く、良いとも悪いとも言われず『検討中』になることが一番多いのです。その中で情報収集の段階だったお客様が『商材・サービスを導入しよう』と思い立たれる瞬間をつかむために、担当営業は『最近どうですか?』と何度もお客様のところに足を運ぶことになります。もちろん、対面でお会いするのが一番良いわけですが、営業のリソースには限りがあります。そこでリソースを節約するために、電話・メールも使いながら関係を構築していくのですが、AshiAtoを使えばお客様の心の変化が行動に出る瞬間をつかめるのです。これまでメールマガジンに見向きもしてくれなかったお客様が、クリックをしてくれるようになった。さらに、メールを送らなくてもサイトを訪れてくれるようになった。それはお客様が興味関心を抱き始めている証拠だから電話してみよう、往訪してみようという判断ができるわけです」(尾花氏)
既存リードのナーチャリングにも活かせ
これはもちろん、新規の見込み客に限った話ではない。ここ数年でリード獲得したものの、案件化できずに眠らせてしまっているリードにも当てはめて考えることができる。
マーケティング予算が削られる企業が多い中、既に獲得したリードを掘り起こすというアイデアは経営陣にも受けが良いだろう。「過去の顧客データを掘り起こし、リードナーチャリングへの取り組みを始めましょう」と訴えれば、承認してもらえる確率はさらに高まるかもしれない。実際、AshiAtoをテスト運用してみたところ、社内でナーチャリングの仕組みを持たずに導入した企業で、導入から3か月のうちにナーチャリングの成果が現れはじめたという。
リードの“質”をスコアリングして一定以下の質だったら、眠っている既存リードと合わせてナーチャリングする。そしてホットになってから営業に渡すことで営業リソースを有効活用する。AshiAtoはナーチャリングの仕組みを社内で導入するサポートツールとしても機能するはずだ。
AshiAtoは現在、Salesforceのみの対応だが、Salesforce導入済みの企業ならリード獲得からリード評価、営業のフォロー状況、結果まで一貫して1つのプラットフォーム上で追えるようになる。料金的には3万円からと対象サイトのPV数に応じて変動する料金モデル。比較的気軽に導入できる水準だろう。
これまでBtoB企業のマーケティング部門にとっては、なかなか踏み込みにくかった営業の領域。口を出せずにストレスを溜め込んでいた人も居るかもしれないが、AshiAtoの導入によってマーケティングと営業の溝に橋が渡されることだろう。費用対効果の高い施策を実現できるツールの1つと言えるのではないだろうか。
【参考情報】
Salesforceとの連携でどの企業の誰が、いつどんなページを閲覧したかを可視化可能。「AshiAto」の詳細はHPで確認できます。