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アイレップの現場担当者に聞く「アクセス大幅向上作戦」

リスティング広告とランディングページにおける情報世界~荒川静香はなぜ金メダルを獲れたのか~

イナバウアーは現在のフィギュアスケートでは加点対象とされていない技である。ではなぜ荒川静香選手はイナバウアーを演技に加え、そしてなぜ金メダルを獲ることができたのか? 荒川選手の成功を広告の世界にも置き換えてみよう。

荒川静香はなぜ金メダルを獲れたのか

 少し前の話題になってしまうが、今回は2006年トリノオリンピック女子フィギュアスケートで金メダルを獲得した荒川静香選手(現荒川氏:以下同)についての分析から始めたい。「何かでトップに立ちたい」「何かを極めたい」と考えた時、オリンピック選手など特定の世界で活躍している人を分析してみると意外なヒントや共通点が見つかるものだ。

 かの有名な「イナバウアー」。足を前後に開き、つま先を180度開いて真横に滑るフィギュアスケートの技の一つである。今でこそ誰もが知っているワードだが、荒川選手が金メダルを獲るまではその存在は一般にはほとんど知られていなかった。ましてや現在のフィギュアスケートでは加点対象とされていない技である。ではなぜ荒川選手はイナバウアーを練習し、本番も取り入れたのか。そして、なぜ金メダルを獲ることができたのか。

 そこに情報のあり方が明らかになっている。いかに高得点を取るかを考えるのではなく、「フィギュアスケートとは何か」「フィギュアスケートを通して何を伝えたいのか」を追求し、それに対しての自分なりの答え、さらにそれをやってみたいという表現力が実を結んだのである。それまでの競技では、見ている観客や審判員の想定範囲内でテクニックの争いが繰り広げられていた。しかし、荒川選手の競技(正確には演技)には誰も想像し得なかった表現の世界が存在したのである。つまりそれは違和感であり意外性であり、想定されていた情報以上の価値がそこにあった。

 フィギュアスケートなど体操の世界では、その運動と表現の世界に無限の空間が広がっていることを認識しなくてはならない。何回転飛べるかといった単純な世界ではないのだ。その機能性の世界と文化性、芸術性の世界との間に無限の空間が存在する。そして前述のように、すでにフィギュアスケートの世界ではその表現空間が人々に認められ、求められる域にまで達している。審判員を含め人々はその表現力の豊かさに魅了され、本来のルールを無視してその美を最良のものとして評したのである。

荒川選手の金メダルまでの過程

情報のマッチングだけでは完結しない

 さて前置きが長くなってしまったが、では、これを広告の世界に置き換えてみるとどうなるのか。特にリスティング広告における情報のあり方を考えてみたい。リスティング広告において、主となる目的は情報の最適化である。検索キーワードを軸にいかにユーザニーズと情報のマッチングを図るかを追求する世界である。またそのマッチングを実現するために、ランディングページ(たどり着くページ)の改善はなくてはならない手法として広く認知されている。しかし、本当に情報のマッチングだけでこの世界は完結するのだろうか。

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この記事の著者

株式会社アイレップ 結城 志保 (カブシキガイシャアイレップ ユウキシホ)

東京都立大学(現:首都大学東京)を卒業後、DTP・Webサイト制作の経験を経て、2004年アイレップに入社。さまざまな業種のクライアント企業数十社の制作ディレクションを担当し、2006年よりLPOチームマネージャーを務める。現在はクリエイティブ全般を扱うクリエイティブチームマネージャーとして活躍中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/04/17 08:00 https://markezine.jp/article/detail/1045

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