Q. 小資本の個人事業主としてスタートしたようですが、小資本で事業をうまく離陸させたコツは何でしょうか?
最初は自宅で個人事業として始め、借入などは行わず、お金が貯まったら、その資金で設備投資を繰り返していきました。
サービスを立ち上げてから丸2年ほどは、システム改善やサイトのデザインなどを知人にお願いしたり、運営やオペレーション業務をアルバイトさんに手伝ってもらったりしながら運営していました。今考えると、大きな資金を元手にやらず、身の丈にあった形で始めたことがよかったのかなと思います。
当時、特に考えていたことは、固定的に出るお金をできるだけ減らすことでした。支出が少なければ、収入がさほど多くなくても利益がでるので。そういった考え方もよかったのかなとは思います。
Q. これから小資本で事業を始めようと思っている方へアドバイスはありますか?
長いスパンで考え、あまり無理はせず、事業で得た収益を再投資していくようなスタイルがいいのではないでしょうか。
Q. 新規事業の「ちょびのわ」とはどのような事業でしょうか?
ちょびリッチユーザーが、楽しく情報交換できるコミュニティーサービスです。現在は、「Q&A」「投票」などで気軽に質問・相談ができるようになっています。投稿数などが多くなってきたら、言語解析を行い、嗜好性にマッチした広告も配信する予定です。
既存のQ&Aサイトと大きく異なるのは、ちょびリッチポイントが付与され、電子マネーやギフト券、他社ポイントなどに交換ができることです。

Q. 事業をすべらせないために気をつけていることはありますか?
継続的に収入が入ってくるかどうかを事業の着眼点にしています。一時的に収入が増えても、その流行が終わればたちまち資金繰りなども苦しくなるので、1社の収入は少なくてもいいから安定的に売上が発生するように心がけています。その方が精神衛生上もよろしいかと思うので(笑)。
なので、継続的に収入が見込める会員制のサービスは特に好きな事業分野です。
Q. 今後の目標を教えてください
簡単に言うと、ちょびリッチを利用してくれる方を増やしたいというのが目標です。サービスとしては、誰かが損をすることもないですし、少しでもお小遣いを増やしたいという世の中のニーズにもマッチしているようにも思います。
現在、利用者は130万人ほどですが、3年以内には300万人くらいの方に利用してもらいたいと考えています。そのためには、ユーザーが使って便利、お得、楽しいなどを実感してもらえるようなサイトを作っていくつもりです。
また、そもそもは僕個人が収入を増やせればいいやと思って始めたサービスですが、現在は社員も30人近くになっているので社員がやり甲斐をもって働けるような、自分がやってみたいサービスにチャレンジできるような環境を整えたいと考えています。
今年で創業9年になりますが、第二創業期という位置づけで、いろいろなことにチャレンジしてみたいですね。

インタビューを終えて
5年ほど前、ポイントメディアは乱立状態であり、多くはベンチャーキャピタルなどから調達した潤沢な事業資金を基に展開していた。そのような状況下で、ちょびリッチのことを知った当時の私は、サイト運営者である斎藤氏が個人事業、さらに長野で事業運営をしていたことに大変驚いたことを鮮明に記憶している。
あれから約5年。多くのポイントメディアは淘汰され主要数社となった。ちょびリッチは立地、資本力共に他社よりも明らかに劣勢だったにも関らず、今現在もポイントメディアを牽引する存在であり続けている。これこそ、小が大に勝った好例ではないだろうか。