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MarkeZine編集部が行く!ネットショップオーナー探訪

ド根性主婦しのっちが超人気ネットショップを生むために使った7つの秘策(前編)


1万店以上ある楽天ショップの中で「グルメ部門年間売れ筋ランキング2位」を受賞した超人気ネットショップ「シリアルマミー」。店長の“しのっち”こと篠直余は、パソコン音痴で、ネットショップ開店当初は全く売れず赤字が続いたという。そんな売上不振店を超人気ネットショップへ変貌させるために、しのっちが使った「7つの秘策」をMarkeZine編集部が聞いてきました。(後編はこちら)

インタビュー相手:篠直余
人気ネットショップ「シリアルマミー」店長。1997年に夫の経営するフランス料理店「カフェ・エ・ビストロ・シリアルマミー」でデザートを作り始める。フレンチトーストから発想した“パンペルデュ”など新感覚のスイーツが話題になり、その後1999年にはプランタン銀座に出店。2001年に楽天市場でネットショップデビューをはたすが、当初は大苦戦。その後工夫を繰り返し、2003年に楽天ショップの「ショップ・オブ・ザ・イヤー」のグルメ部門・年間売れ筋ランキング2位に輝いた。さらに翌年2004年には「ショップ・オブ・ザ・イヤー」のスイーツ・菓子・デザートジャンル賞受賞。カリスマネットショップとしての地位を不動のものとした。

Webサイトの知識が全くなかった私でしたが…

 こんにちは。「シリアルマミー」店長の“しのっち”です。いきなりですが、私がネットショップをスタートさせたのは2001年8月のことでした。パソコンが全く素人だった私は、自分でホームページを作ることができないので、ネットショップを楽天市場で出店していました。しかし最初の月は売上げがたったの1万6,000円。当時、楽天市場の出店料は月5万円だったので、3万4,000円の赤字でした。当時実店舗でお菓子を販売しており、これをインターネットで全国の方に届けようとしたのですが、翌月も売上げは3万円程度でまた赤字。もともとネットショップに反対していた店のスタッフは今すぐ私にネットショップをたたむように迫りました。

 けれども私は生来の負けず嫌い。止めろといわれると逆に燃えてしまい、「何が何でも成功させてやる!」と心に決めました。また楽天市場には前金で半年分の出店料30万円も支払っていました。私のような主婦にとって、30万円はとてつもない大金です。ですから「絶対に元を取る!」と自分に約束したのです。しかしネットショップ開店から2カ月経っていたけれど、お店は閑古鳥が鳴いていました。どうしたら売れるのだろう? 実店舗はそれなりに人気店でしたから、商品には自信がありました。ただその商品の良さをパソコンの向こう側のお客様に理解してもらえていなかったのです(というかWebサイトの存在自体知られていなかったのです)。

 私は考えに考えました。「どうしたら売れるのか。そして人気ショップにできるのか」と。そして試行錯誤の末、7つの秘策を生み出すことができたのです。“秘策”だなんて言うけれど実際は経験から生み出されたネットショップマーケティングにすぎません。けれども赤字で誰にも知られていなかったお店が1年半後には、1万店以上ある楽天ショップの中で「グルメ部門年間売れ筋ランキング2位」を受賞するほどの超人気店になったのです。本当に秘策が当たったという感覚でした。私が得た経験は、ネットショップを営んでいる方、これから始めようと考えている方、他にも商売に携わる方ならきっと参考になると思います。それではひとつ一つ説明していきましょう。

秘策その1 読者の目線「Z型」のサイトづくり

 売れないネットショップを売れるネットショップにするための最も最短な方法は、人気ネットショップを真似することです。考えてみれば当たり前なのですが、私は最初これができませんでした。Webサイトを立ち上げた当時は他の楽天市場のショップとは一風変わったサイトにしたくて、新鮮なデザインを試みていたのです。けれども全くお客様からの反応がない。それでいったん自分のやり方を反省し、人気ネットショップの特徴をつかもうと研究を重ねました。

 するとひとつおもしろいことがわかりました。それは人気ネットショップはどれも画面左上にそのショップのおすすめ商品の写真と掲載情報を載せていました。

読者の目線「Z型」に合わせたサイト作り

 つまりWebサイトを眺める時、ユーザ(お客様)は、まず画面左上に注目し、その後上図にあるようにZ型に目線を行くのです。人気ショップたちはこの動線に気づいていて、あえてそのようなZ型のサイト作りをしていたのです。そしてお客様が求めているのは個性あふれるWebサイトでなく、欲しい情報が簡単に得られるサイトです。つまり他のサイトと似ていれば、同じような情報が同じような場所にあるから読んでもらえる。しかし個性的なサイトは読みづらく情報収集しづらいので、すぐにユーザは逃げてしまうのです。

 人気ネットショップのサイトには、共通して「売れている雰囲気」があります。勢いのようなものがあるのです。一方売れてないサイトにも「売れていない雰囲気」があり、訪問者はすぐにこの雰囲気を感じ取ります。「このサイトはダメだな」とすぐ逃げられてしまいます。私は良いサイトを真似することで、シリアルマミーも売れているショップの雰囲気を出そうと思いました。そしてさっそく三日三晩ほとんど寝ないでサイトの改良に取り組んだのです。

 ただし当時はこのZ型が主流で最も読みやすくレイアウトだったのですが、パソコンユーザの増加に加え、今では多くの人が頻繁にネットを見るようになりました。時代に合わせて現在のWebサイトの流行は画面中央の上から下へ動線を引くという形に変化しています。これは多くのユーザがマウスをクリックして、画面下へ移動することを苦と思わなくなり、情報を1画面に敷き詰める必要がなくなったからです。

秘策その2 メルマガ作戦

 Webサイトのレイアウトを変えて、多少は売上が増えたのですが、それでも経費などを計算すると赤字は続きました。良い商品を良いサイトで販売しても、知名度が低く売上げに結びつかないのです。そこで次に試したのがメルマガ(メールマガジン)でした。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/03/11 21:03 https://markezine.jp/article/detail/1150

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