サイト移行を成功させる4つの方法
グローバル企業を中心に、大規模サイト向けのコンテンツ・マネジメント・システム(CMS)「Content Server」を提供するFatWire。10月8日に同社は、Web CMSを導入する際に必ず直面する「サイト移行」をテーマとしセミナーを開催。セミナーは4つのセッションで構成された。最初のセッションは、営業部ディレクター 佐藤高生 氏による『サイト移行の4つの方法』だ。
Content Serverを導入するような大規模サイトを想定し、そのノウハウを解説した。冒頭、佐藤氏は「サイト移行を行うには4つの方法がある」と語り、次の4つの方法を挙げた。
- A.既存サイトをそのまま移行
- B.既存サイトをアセット化して移行
- C.データベースからのダイレクトな移行
- D.既存の文書管理との連携
続いて、佐藤氏はContent Serverの導入先である、カーオーディオメーカー、クラリオンのサイトを紹介。クラリオンでは、100カ国33言語でマルチサイトを展開している。
Content Server導入前は、各拠点ごとに作られたサイトは統一感もなく、バラバラに運用されていたが、導入後は統合・整理されている。この規模のサイトでは、単に統合すればいいというわけではなく、個々のサイトが担っているテーマや機能ごとに、実装レベルに差があると指摘し、大規模サイトでのサイト移行の難しさを語った。
大規模サイト内で各ページをレベル分けする基準
また、佐藤氏は、「大変乱暴ですが」と前置きしつつ大規模サイトでの個々のサイトは、付加価値の高いものから順に次の3つのレベルに分類すべきとし、同社の顧客であるFord Motorの例を紹介した。
- その企業にとって戦略性の高いサイト
- それに準じるサイト
- 企業の義務として情報開示が必要なサイトや、小規模な部門の独立性の高いサイト
Ford Motorは、世界中の各国ごとにサイトを展開しており、米国を中心にオーナー向けのサポートサイトを展開している。代理店販売を主としているメーカーなので、エンドユーザーの情報を直接捉えることはできないため、このオーナー向けサイトが最も戦略性の高いサイトとなる。
オーナーの登録により、利用している車種を特定し、どのような走り方をしているかといった情報から、部品交換のペースやリコール時の対処などを把握できるといった、非常に戦略性のあるサイトと言える。レベル2には、各国の製品情報サイトが当たり、レベル3にはコーポレートサイトなどがあたると解説した。また、多種多様なサイトを管理・運営する企業の場合、運営コストやガバナンスといった点も配慮しなければならない。
佐藤氏は「最近では、コストメリットからプレイベートクラウドへの集約が進んでいますが(実際、FatWireユーザーは既に殆どがプライベートクラウドへ移行)、個々のサイトには、担っている役目やレベルに差がありますので、一律の方法ですべて移行することは、経験上では無理があると思います。そこで、レベルに応じた4つの移行方法を駆使することをお勧めします」とし、セッションの主題である4つのサイト移行についての解説をはじめた。