コンバージョン以外の目的で動画を活用する米マーケター
アメリカでここまで浸透してきているWeb動画。もちろん、マーケティングの中でさらに動画を活用する企業も増えてきている。
そうしたマーケティング関連の取り組みのうち、特筆すべきはコンバージョン目的だけでなく、認知・検討・トライアルといったフェーズのユーザーに対しても、動画を上手く活用して適切にアプローチしようと試みていることだろう。
例えば、シューズメーカーのReebok。同社はFacebookの中に女性向けシューズの動画を集めたファンページを開設。「Easy Tone」という美脚・ヒップアップ効果のあるとするシューズを履いた女性モデルが、どんなエクササイズをすると効果を得られやすいのか、解説する動画をまとめて載せている。
すぐにシューズを買うつもりはないが、効果的なエクササイズのやり方には興味がある。そんなユーザーを集客する経路として活用し、邪魔にならない程度にEasy Toneの購入ページへの動線も見せる。そんな手法を採ることで、今まで以上に新規の顧客を獲得できているという。

ほかの事例としては、アパレルのWAREHOUSEの取り組みが興味深い。自社商品を購入したユーザー向けにアプリを提供し、新製品を発表したらアラートを流す。アプリを介して新製品の動画を視聴できるようにすることで、ロイヤリティの向上、リピート客の獲得などを狙っているそうだ。
動画はテキスト+画像の従来の表現と比べて効果的。ユーザーの注目を集めやすいため、コンバージョン以外の目的でも効果を発揮しているのだとワトコット氏は主張。CMS、ログ解析ツール、CRMといったテクノロジーと同じレベルで、今後はオンラインビデオプラットフォームが必須ツールになるとの自説を唱えた。
「ビデオプラットフォームがあれば、もっと速くマーケティング戦略を実行できます。昔はほとんどのマーケティングチームにWebマスターや開発者は居ませんでしたが、今のチームにはWebマスターや開発者が居ます。同じように、5年前にはビデオグラファーと動画編集者は居ませんでした。ですが、これからはビデオグラファーと動画編集者はチームに必要なメンバーになるでしょう」(ワトコット氏)