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「海賊版を購入してしまったのですが、私も法律違反?」ネットオークションの「はてな?」その2


「必要的共犯」がカギに

 犯罪には、その性質上複数人が関与しなければ成立しえないものもあります。賄賂を贈る側と受け取る側の両方が存在しなければ成立しない収賄罪・贈賄罪が典型例です。このような犯罪類型を「必要的共犯」のうち「対向犯」といいます。対向犯でありながら一方のみを処罰し、他方については処罰を規定していない場合は、他方については「立法者がその処罰をしない意思をあらわしている」と理解され、従犯(刑法62条)として処罰されることもありません。

 海賊版の売買はその一例であり、著作権法113条以外には購入者を処罰する規定がない以上、購入者が処罰されることはありません。したがって、ネットオークションで購入した海賊版のソフトウェアを第三者に譲渡するか譲渡する目的で所持していない場合、及び当該ソフトウェアを業務上電算機で使用しない場合は、刑罰を科されることはありません。

 ただし、刑罰を科されないからといって海賊版を購入しても良いわけではありません。正規品を製造・販売する者が損失を被る一方で、海賊版を製造・販売する者を利することになり、社会上、倫理上問題があるからです。海賊版であることを知って購入することなどはもってのほかです。

本稿中、意見にわたる部分は、筆者個人の見解を示すにとどまり、筆者の所属する法律事務所の意見を表明するものではありません。また、具体的事案により本稿中とは異なる結果が生じる場合があります。

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この記事の著者

笹倉 興基(ササクラ コウキ)

弁護士(東京弁護士会所属)。1995年早稲田大学法学部卒業。1999年弁護士登録。黒田法律事務所において、特許権、商標権及び著作権といった知的財産権に関する案件、ベンチャー企業の支援を担当している。また、M&A・事業再生・リストラクチャリングや民事再生などにも注力しており、ビジネス法務の分野において第一線で活躍中。ネットビジネスに関連する法律に精通している。
www.kuroda-law.gr.jp

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/07/11 12:51 https://markezine.jp/article/detail/1237

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