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小林佳徳のネットメディア通信

セカンドライフはビジネスとして成り立つか?~次世代コミュニケーションスタイルを探る(前編)~

 ただSLの世界をうろうろしてチャットなどをしているだけでも、「なんとなく楽しい」というような人や、可処分時間が多い学生や主婦がじっくりと腰をすえて楽しみ方をみつけるというところから楽しむということであればそれもアリかとは思いますが、例えば、リアルな3DCGによる高いゲーム性を求める人であれば、レベルアップの要素などのないSLよりはファイナルファンタジーXIや、ラグナロクオンラインなどの、すでに多くのユーザを獲得しているサービスがありますし、純粋にコミュニケーションを楽しむのであれば、いわゆるチャットサイトや、mixiなどのSNSの方が手軽に、同じ趣味趣向の人を見つけることができそうな気がします。

 ビジネスチャンスとして各企業がSL内に車などの商品デモスペースを建設したり、新卒採用を行うブースを設けたりしたことが話題を呼んだりしていますが、そもそもユーザが集まらなければ「場」として成り立ちません。全世界で600万人のユーザがプレイしているということなので今後も着実にプレイヤーを増やしていく可能性は高いですが、例えばモバゲータウンのような、短期間で一気に普及するようなサービスも現れる昨今、SLに対して、多額の先行投資を今すべきかどうかは迷うところでしょう。

DeNAが4月に発表した資料。この後、5月10日に会員数は500万人を突破した

 つまり、「ネットサービスとしてブレイクする沸点がどのくらいの高さにあるのか?」(≒利用してるユーザ数の規模がどれくらいになれば、バイラルなどで雪だるま式にユーザが増えていくのか?)ということですが、今後、そこを超えるためののいくつかのポイントを考えてみました。

1.SLに日々ログインし続けなくても楽しめるような仕組み

 とにかく手間暇をかけた(長時間ログインしていた)だけ「より一層濃く」楽しめるのがオンラインアバター系のサービスの共通した特徴ですが、逆にちょっとだけやってみたい、といった初心者にはお断りという雰囲気もあります。SLの世界で行動している間は常時オンライン接続している必要があり、必要とされる時間数の負荷はもちろん、ログインできる環境や、パソコンに必要とされるCPUパワーやメモリ容量の、負荷もかなり高く感じました。

 例えばその負荷を分散させるためにも、プレイヤー同士/アバター同士のコミュニケーションを行うためのコミュニティや掲示板や、携帯電話などからSLの世界をチェックしたり操作できるインターフェイス、メールマガジンなど他のメディアを活かしたものがあれば、毎日SLにログインすることが難しい人も、利用を継続しやすくなるのではないでしょうか?う?

2.無料ユーザでももっと楽しめる仕組み

 1とも関係してきますが、やはり「面白く」なってきてから初めてユーザは課金メニューにも興味を示すものなので、始めたばかりの頃は、ある程度はリンデン$を手に入れやすくする仕組み、もしくは無料で手に入るアイテムの提供が必要だと思います。

システムとして実装可能であればですが、企業広告が入ったTシャツを配布して、それを着て歩き回っていれば、触れ合った人数と時間に応じてアルバイト代が自動的に入ってくる(さらにそのシャツの広告をクリックすればサイトに誘導されるアフィリエイト仕組みなど)というものであれば、ユーザの方もあまり抵抗無く利用するのではないでしょうか?

 またはゲーム仕立てで、看板、ポスター、自販機などのアイテムをSLの世界の各地に配置していくことや、友達チラシを配ることでアルバイト代がもらえるなども面白いかもしれません(モラルなども問題になってきそうですね・・・)。

3.企業がビジネスを行いやすくする仕組み

 ユーザサイドの次にはビジネスサイドがSLに参入しやすくする仕組みも必要でしょう。すでに、ユーザが多く集まるエリアには歌手のプロモーション映像を流したりもしているようですが、そこに流す映像を管理する広告代理店のようなところも出てくるかもしれませんね。

 今後はもっと手軽にいろいろな企業がイベント・採用活動などを開催できたり、「Google Adwards」くらい、気軽に広告出稿できたりできる仕組みが整うことで注目度も上がるかと思います。

 さて「セカンドライフ編」はこの程度にして、次に「twitter編」で一言共有コミュニティという最近話題になっているコミュニケーションスタイルを紹介します。

twitterを取り上げた後編はこちら

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この記事の著者

小林 佳徳(コバヤシ ヨシノリ)

 1973年山梨県甲府市生まれ。幼少時代にNEC PC6001と出会いコンピュータに興味を持つ。 新潟大学大学院自然科学研究科在籍中にインターネットの可能性に惹かれ、1998年に上京。大日本印刷、ベネッセコーポレーション、と大企業を経験後、livedoor、モバイルファクトリー、イトクロなどのベンチャー企業を経て、...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/06/06 08:00 https://markezine.jp/article/detail/1254

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