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小林佳徳のネットメディア通信

なぜtwitterは急速に普及したのか~次世代コミュニケーションスタイルを探る(後編)~


 なぜ、twitterに代表されるこのようなサービスが今、人気を集めているのでしょうか。昨今「mixi疲れ」と呼ばれる、SNS上でのコミュニケーションに疲れ、退会していくという話がちらほらと聞こえたりもします。確かに以前と比べるとネット上では些細な一言や行動が「炎上」と呼ばれるお祭り騒ぎを起こしてしまったり、気の置けないメンバー同士での会話のつもりが瞬く間にネット上に広がってしまった、ということも少なくなく、何か発言することを重たく感じてしまうこともあるのではないでしょうか?

 そのためか、いつの間にか多くのユーザはネット上のニュースやネタを追うばかりの受身体制に・・・。とはいっても深い満足感を得るためには自分から情報発言もしてコミュニケーションをとりたいと思いつつも、そんなにいつもいつも注目してもらえるようなニュースやネタなんて持ち合わせていません。そんな時に「今日の夕飯は美味しかった」のような、インターネットを始めたばかりの頃にドキドキしながら交わした他愛もない一言、一文が許される、twitterのそんな面が受けたのかもしれません。

 それ以外でも、使い勝手をよくするためのデスクトップへの常駐、IRC、メールなどと連動、携帯からの更新に対応したツールや、地震速報や、Anonymous T witter (anontwit) といった、匿名での投稿サービスなど、次々と新しい試みがなされてるところも魅力の1つです。今後、どのような利用されていくのか、ユーザに育てられていくのか楽しみです。

CGMとして生き残っていくために

 さて、twitterは、そのとっつきやすさから爆発的なトラフィックを叩き出しましたが、CNET News.comでの、とある記事ではすでにその人気のピークを過ぎたという見方もあるようです。

 確かに、テキスト1行では表現力の限界がありますし、リアルタイム性だけで言えば、すでに多種多様なインスタントメッセンジャーがありますので、あえてそこから移行する人も多くはないかもしれません。それらに対して優位な付加価値を用意できるかどうかが、今後サービスとして存続していけるかどうかの鍵になるのではないでしょうか?

 また、SLとは異なり課金モデルも確立されてないため、開始当初は何よりまずユーザとトラフィックを集めることも大事ですが、その先のマネタイズの部分も見えていないと運用コストの面からサービスの継続が難しくなるかもしれません。

 ビジネスアイデアを1つ考えるとすれば、ユーザへの情報の伝達の即時性を活かして、例えば先述の地震速報のような「号外」などの、Friendにすることで有益な情報を配信してくれるtwitterIDを用意してそこからの広告配信とかはどうでしょうか? 配信される広告の頻度や趣向もユーザが選択できるようにすることで、新しい広告モデルを生み出すこともできるかもしれません。とにかくそこに「速く」「正しい」「新しい」「面白い」情報がたくさん集まることで現在の検索エンジンビジネスの応用なども可能かもしれません。

 目にも止まらない勢いで新手のインターネットサービスが次々と提供されている昨今ですが、その中で生き残っていくためには「まずは面白いと思ってもらえる仕組み、仕掛けがあるかどうか」に加えて、「とっつき易さ」や、「流行とマッチしているかどうか」なども関係してくるでしょう。昨今、とかくCGM、CGM…と、もてはやされてはいますが、やはりある程度の時間をかけて、手をかけて作られたものがそれだけの時間分、親しまれて、長く残っていくことに変わりは無いので、熱しやすく、冷めやすいというスタンスばかりでは市場の拡大はのぞめません。

 「ビジネスとして成功するためのコンテンツとしての価値」と「そこにかけられるコスト(時間、手間、etc)」のブレークイーブンポイントの見極めを行うことができれば、そこから先における、適切な機能追加と広告・宣伝、もしくは早期撤退による新規サービスへの切り替えも行っていけるのではないでしょうか。

 あくまで私見ですがtwitterはこのまま暇つぶしのツールとして終わってほしくないな、というのと、セカンドライフはもう少しアバターが可愛くてとっつきやすいといいのにな、というところでしょうか。

SNS、ブログを超えるほどにライフスタイルに影響を与えるネットサービスが、今後もどんどんと出てくることを期待したいところです。

セカンドライフを取り上げた前編はこちら 

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この記事の著者

小林 佳徳(コバヤシ ヨシノリ)

 1973年山梨県甲府市生まれ。幼少時代にNEC PC6001と出会いコンピュータに興味を持つ。 新潟大学大学院自然科学研究科在籍中にインターネットの可能性に惹かれ、1998年に上京。大日本印刷、ベネッセコーポレーション、と大企業を経験後、livedoor、モバイルファクトリー、イトクロなどのベンチャー企業を経て、...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/06/06 20:54 https://markezine.jp/article/detail/1256

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