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ひろゆき氏と開発スタッフによる 今だから話せる「ニコニコ動画」開発秘話


「ニコニコ宣言(仮)」について

MZ
今回、「ニコニコ動画(RC)」のリリースとともに、「ニコニコ宣言(仮)」というものも発表されました。これはニコニコ動画を作りながら直面した問題や、これからどうやっていくかのかという議論をもとにまとめられた、ということなんですが。
ひろ
もともと、結構前からナレッジベースだなんだって、知識を集めて、それに価値があるんだっていう話はあったと思うんですけど、そういった意味でニコニコ動画に書かれるようなコメントとか、2ちゃんねるの実況板もそうですが、「感情に関しては集めてもしょうがない」っていう見方をする人たちからは「集合愚」と呼ばれがちなんですけど(笑)。
そういう役に立たないものも、確かにまぁ、実利的には役に立たないんですけど、役に立たないからこそ、面白いっていう方向にはなっているんじゃないかなぁ。
実際、ニコニコ動画でコメントできない状態で、じゃあみんな見るのかって、やっぱりみんなコメントする状態だし、コメントも見るという感覚があるので、そもそも役に立たないものがエンターテイメントとしてはウケるんじゃないかなと思います。
中野
例えばWikipediaって、1人がばーっと更新しちゃうと、他の人が突っ込むところがないので、ああいう形で集積化していってしまうと、その先がないというか、そこで収束してしまうんですよね。
結局面白さを追求すると、それはちょっと違うなということで、コメントによる感情、コメントって消えてしまうので、決定的に面白いコメントがついたとしても、2日後に見たらなくなっちゃってたりする。でも、それによって、より、もっと面白いコメントがついたりする。生まれ変わって。その同じ事の繰り返しが楽しいんじゃないかと思うんですね。
MZ
そういえば「ニコニコ動画」では、もとのファイルが削除されてしまったときに「笛のFooさん」の音楽が流れますよね。あのタテ笛のサウンドが本当におかしいというか、気が抜けるというか…。ああいうアイデアも皆さんから自然に出てくるのでしょうか。
鈴木
あれは、最初削除されたときに「削除しました」っていうのはあまりにも味気ない感じで、ニコニコらしい気の抜けた感じのものをやろうかって話になって、そういうのを作れる集団がいたので、そこにお願いしたんです。
中野
練習で取ってたやつが、あまりにおかしかったんで、それでいいよって言って。そのまま載っちゃった。
笛のお兄さん「Fooさん(ふうさん)」が奏でるやや調子のはずれた音色は
元の動画がなくなった悲しみを癒すものとして人気を博している。
「ニコニコ動画(RC)」に合わせて公開される新曲ではハーモニカに挑戦!
(写真はプレスリリースで公開されたFooさんの笛とハーモニカ)
MZ
著作権保護の観点から、YouTubeに違法にアップされたファイルの削除要求が出たりして、それはそれでシリアスな問題なんですが、削除されたときにあの音楽が流れるかと思うと、それだけでおかしいです。
ところで、「ニコニコ宣言」の第5宣言は今回はあえて公開しなかったとブログにありましたが、やっぱり今のところは秘密ですか?
ひろ
今のニコニコ宣言は、ユーザーと運営者だけの話になってるんですけど、コンテンツホルダーもちゃんと意識したほうがいいんじゃないのっていうので、一応入れた版があったんですけど、今言うとちょっと物議かもしすぎだろうっていう(笑)。
「ニコニコ宣言(仮)」は、現在第4宣言までが公開されている。

今なぜ「ニコニコ宣言(仮)」なのか

「ニコニコ宣言(仮)」―これを読めば、今「ニコニコ動画」が抱えている問題と可能性の両方がわかるだろう。ニコニコ動画は、使い方によってはGoogleも実現していない「動画内検索」などを実現する可能性を秘めたサービスだ。もし、大量のニコニコ動画ユーザーが、Wikipediaの執筆者たちのように人海戦術で動画コンテンツに意味のある情報を付与する作業を行い、それが自由に検索できるようになったら、動画データに対するアクセス方法が大きく変わることになるだろう。

この方向性を追求している研究者からは、ニコニコ動画の大量のコメントは役に立たない「集合愚」と位置づけられてしまうという状況がある。しかし、3氏はニコニコ的なものを、ひたすらつくり続けていこうという姿勢に変わりはない。ただ、その前にはサービス維持とともに収益化の方向性を探るという高いハードルが待ち受けている。

次のページ
「Google的なもの」と「ニコニコ的なもの」

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/06/24 19:44 https://markezine.jp/article/detail/1314

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