CMSからWebエクスペリエンス管理へ
セッションで紹介されたCQ5は、Webのコンテンツ管理(WCM)、画像や動画などのリッチメディアを統合管理するデジタルアセット管理(DAM)、オープンなプラットフォームとしてのリポジトリなど、幅広いデジタルコンテンツを対象としたエンタープライズコンテンツ管理(ECM)ソリューションだ。
日本ではまだ知名度が低いが、海外ではマクドナルド、Dunkinドーナツ、Skype、DHLなどで採用されている。
2010年にアドビ システムズによって買収される前は、Apache Software Foundationを中心としたオープンソースコミュニティへの貢献を積極的に行っていたスイスのDay Software社により開発・販売されていた。モダンで柔軟、オープンなアーキテクチャが特徴であり、アドビ システムズの各種製品との統合がしやすかったのも買収の要因の1つではないだろうか。
Adobe Omniture Summit 2011が開催される直前の2月末に新バージョンのCQ 5.4がリリースされ、マーケティング支援を強化したWebエクスペリエンス管理(Web Experience Management/WEM)として位置付けられるようになった。
今回、Omnitureユーザーに向けて説明されたポイントは下記の3つだ。
(1) モバイル対応を強化
アプリ内のコンテンツ管理機能
図1の「MCM」はモバイルコンテンツ管理の意味。
PC用Webに加えて、モバイル(スマートフォン)用のWebとアプリに掲載するコンテンツも、編集・保管・管理を一元管理できる。
例えば、動画を管理画面でアップロードしページに掲載すると、PC、iPhone、iPadなど異なるデバイス向けに最適化された解像度とエンコード方式で自動変換が行われ、ユーザーがページを閲覧した時にその時のデバイスに応じて適切なフォーマットの動画が配信される。
図2は、WCMの編集画面で、モバイル端末のシミュレータを使ってコンテンツをドラッグ&ドロップしながら編集している画面だ。このシミュレータは、別のアプリではなくCMSの管理画面内に統合されている。
スマートフォンによる管理機能
管理画面にiPadやiPhone、Android端末からアクセスし、コンテンツ投入やレポート閲覧ができる。また、CQ5 Goというアプリを使うと、レビューや承認などのワークフロー機能が利用できる。