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Linkedin共同創立者コンスタンティン・ゲーリック氏が考えるソーシャルメディアのあり方


ソーシャルメディアの役割

MH:
ドイツで産まれ育ち、大学からはアメリカ、そして日本で半年働くという経歴をお持ちなので、各国の文化の違いを認識されていると思います。文化の違いが持つソーシャルへの影響をどう考えますか? ソーシャルメディアを通して海外市場に取り組む企業は、文化の違いをどう考慮すべきでしょうか?
KG:
ソーシャルは文化など国による違いよりも、“共通点”を示してくれます。ソーシャルメディアを通して、国境を越え、人が繋がり、理解を高め、世界を動かすことでしょう。
MH:
ここ数ヶ月でエジプトやアラブ諸国の将来を、ソーシャルが大きく変えた感がありますよね。
KG:
一方で、自国の伝統などに深く根付いた部分、昔から伝え守られてきたものは、ソーシャルが広がっても伝えられていくでしょう。ソーシャルは、他国文化や伝統に対する理解を助け、違いを持つ大切さを教えてくれると思います。

企業やネットワークサービスは、対象とする国の人々がどう情報を集め、それをどう共有しているのか、誰と共有しているのかなどを調査し、ビジネス展開の方向を調整すべきです。そうでなければ、国産プレーヤーに太刀打ちできないでしょう。

反対に若いユーザーは、グローバルでネットワークする事に抵抗がありません。若いユーザーを特定の業界や特定の場所を対象としたネットワークに停めるのは、ますます難しくなっていくでしょう。

Linkedinは、世界に幅広く繋がりを持つ米国を拠点として立ち上げましたが、主要言語でのサポートを提供し、オープン後数日で米国以外のユーザーが50%を越えました。
MH:
MyspaceやFriendstarを見ても、確かにユーザーベースを維持して成長を続けるのは、困難ですね。社会の変化やユーザーの世代を越えてソーシャルメディアが生き残るには、何が大切でしょうか?
KG:
Linedinはプロフェッショナル向けビジネス系ソーシャルメディアなので、一般的なネットワークとは違いますが、ビジネス系サイトの場合は、ユーザーが求めているツールや機能を提供する一方で、ユーザーが持つ境界を尊重する事が大切です。ビジネス系サイトで私的な内容を押すサービスを提供しても、喜ばれるどころか迷惑がられるでしょう。参加しているユーザーが期待するサービスを考え、ビジネスやキャリアにプラスとなるサービスを提供すれば、ユーザーを失う事はないでしょう。

一方、一般向けサイトに人々が期待するのは、娯楽です。YouTubeやFacebook、MySpaceなど、娯楽がユーザーを伸ばすカギです。人々は常に新しいものや違うサービスを求め、求める内容も世代によって大きく異なります。世代を通してユーザー全体を満足させるサービスを提供し続けるのは大変なことで、MySpaceやFriendstarが人気を失ったのは、ここに理由があります。

ビジネス系サイトでも、ユーザーの動向や企業が求めるサービスの内容は変化するでしょうから、常にアンテナを張って変化をキャッチし、ニーズに合わせてサービスを改善/変化させる必要があります。インターネットは動きが速い世界なので、企業のサイズが大きいほど対応に時間がかかり、新しい競合に追い抜かれる可能性があります。
MH:
Linkedinなどのビジネス系サイトを利用するユーザーに、アドバイスはありますか?
KG:
ビジネス系サイトは、サイトの目的やサービスの内容がはっきりしているので、まず何をどう利用するか、利用する目的は何かを考えると良いと思います。例えばLinkedinでは、競合調査、求人、ビジネスパートナー探し、顧客獲得などのサービスが企業メンバーに人気です。
MH:
大学卒業当時、世界にインパクトを与える仕事を考えたそうですが、もしも今25歳だったら何をしていると思いますか?
KG:
自分が情熱を持てる仕事に付けば、辛い仕事も楽しめるでしょうし、成功に繋がります。世界を変えたいという気持ちは、今も同じです。卒業時はインターネットが無かったのでソフトウエアの仕事に就きましたが、今はインターネットほど短時間で物事を変えるものはありませんね。今25歳だったら、ソーシャル・ソフトウェアが面白いと思います。それ程開発が進んでいない分野です。脳の働きにも興味があります。インターネットというと、何かを打ち込んで何かが出てくるわけですが、違うタイプの情報を測るアプリケーションをセンサーと合わせたりできれば面白いでしょうね。

技術を学ぶのは大切ですが、同時に心理学や社会学などを学んで良かったと思います。ある分野に目を向けると知識だけでなく、他の分野の理解度も高まります。ネットワークを通して自分が漬かっている業界だけでなく、違う業界や他国の人と意見や情報を交換し学べるのもソーシャルの利点です。
MH:
フォロワーやフレンド数をただ増やすのではなく、繋がった人々と情報や意見交換を盛んに行なってこそソーシャルを利用する意味があるということですね。ありがとうございました。

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この記事の著者

ハント肇子(ハントモトコ)

 1998年にAJPRを設立以来、世界各地の企業に対してインターネットをベースとした日本市場向けマーケティングを指導。日本及びアジア各地の知識を活かしたサーチマーケティング・コンサルティングサービスは、世界的に有名な企業のサーチマーケティング・キャンペーンを成功へと導いている。また、世界各地のカンファレンスで講演し...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2011/06/10 13:36 https://markezine.jp/article/detail/13594

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