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一歩先行くSEO/SEM、サーチマーケティング・イノベーション

サイトリニューアル時に見直したい、見落とされやすいSEO7つのポイント

(4)WebページのテンプレートとCMS設定の最適化

 ページ数が多いサイトで、各ページを一つ一つ最適化するのは、作業の量や時間を考えても現実的ではありません。CMSを導入しているのであれば、その設定を最適化することが先決でしょう。

 CMSは、該当ページのレベルや目的に合わせて複数のページテンプレートを作成でき、製品などのコンテンツデータを放り込めば、膨大な数のWebページを簡単に作成できます。このCMSの設定で、あらかじめ各テンプレートのどこにキーワードが入るか、どこにページの肉となるコンテンツが入るかといったを把握し、最適化することが重要です。

 ただし、サイトによっては、カノニカルタグやロボットタグなどを使えなかったり、ページのコンテンツを書き換える事ができなかったりといった設定をCMSに行っている場合もあり、ページ単位で変更する必要がでるケースもあります。用途に合わせてコンテンツやタグなどをページ単位で変更できるように、柔軟性を持たせておくことも重要です。

(5)立ち上げたページが全てインデックスされるとは限らない

 Webサイトを立ち上げたら、GoogleやBingなどが提供しているWebマスターツールを設定し、インデックスされるべきページが確実にインデックスされているかどうか、を定期的に確認するようにしましょう。ブラウザでは正常に表示されているページも、検索エンジンに対してはエラーを出していたり、全くインデックスされていなかったりという場合があります。

 Webマスターツールで確認し、エラーが出ている場合は「404」(Not Found:指定されたURLが存在しない場合など)なのか「500」(Internal Server Error:予期しない理由でのサーバエラー時など)なのかなど、エラーの内容を把握して対応します。なかには、リンクタグのURLに書き間違いがあったなど簡単に改善できるエラーもあります。検索エンジンがクロールする際、サーバーダウンやダウンロードのタイムアウトでエラーが続くと、実際には存在するページでもインデックス不可能と判断され、そのページへのクロール頻度が減り、挙句の果てにインデックスから削除されてしまうという最悪の場合もあります。面倒でも、一つ一つのエラーの理由を確認して対処しましょう。

 XMLサイトマップはクロールの頻度やインデックスの改善には役立ちませんが、検索エンジンに対して、インデックスさせたいページを知らせる事ができます。また、XMLサイトマップに載っているページがエラーを出した場合、Webマスターツールでは、そのURLをクロールエラー画面の「In Sitemaps(サイトマップ)」タブにレポートしてくれます。エラーの総数が多い場合には、まずXMLサイトマップに載っているURLのエラーから確認すると良いでしょう。

 言うまでもありませんが、XMLサイトマップには検索エンジンにインデックスさせたいURLのみを載せます。サイト内のリンクを辿ってURLを抽出するようなツールを使ってサイトマップを作成する場合には、バニティURL(※注)や特定のパラメータ付きURLなど、インデックスさせたくないURLをきちんと削除してから、XMLサイトマップとしてWebマスターツールにアップロードするよう気をつけてください。

編集部注:バニティURL

 製品名やサービス名などの分かりやすい文字列にしたURLのこと。実際のURLが複雑な場合などに使用され、ユーザーがバニティURLにアクセスした際、バックグラウンドで転送されるようにしてある。主に広告やキャンペーンなどで利用される。FacebookやMySpaceなどのSNSで、ユーザー名をURLに指定できるようにしているのも、バニティURLにあたる。

Google Webmaster Toolのクロールエラー表示画面トップ
Google Webmaster Toolのクロールエラー表示画面トップ

(6)転送コードの設定

 プレスリリースや広告などにバニティURLを記載したり、サイトのリニューアルでページのURLが変わったりといった場合には転送コードを設定しますが、「302」(Temporary Redirect:一時的な転送の際に使う)にしても「301」(Permanent Redirect:サイト移転など恒久的な転送の際に使う)にしても、検索エンジンにインデックスさせたいページURLへ、ワンステップで転送させるのが基本です。

 サイトを運営して行くうちにページのURLが何度か変わり、その度に現在のURLから新しいURLに転送していると、過去に使ったURLが転送コードで数珠つなぎになってしまいます。2~3個のURL転送を通って最終URLに辿り着くサイトをよく目にしますし、7回転送してやっと最終URLに辿り着いたものも見た事があります。

 Webマスターツールの「too many redirects」というエラーは、「301」を辿って何度次のURLを見ても最終的なページに辿り着けないとエンジンが判断し、最終URLをインデックスする前にクロールを止めてしまった場合に出ます。古いURLをXMLサイトマップから削除するのは、言うまでもありません。

 また、「301」を使っているつもりでも、実際には「302」になっているケースもよく目にします。他の変更箇所もそうですが、転送コードを設定するだけでなく、設定状況を再確認する工程を作業に含めるべきです。

(7)サイト内検索結果の最適化

 検索と言えば外部の検索エンジンばかりを意識しがちですが、意外と見落とされているのが、サイト内検索の結果表示です。サイト内検索を利用する人はそこで提供されている製品やサービスに対して、大いに興味を持っているわけですから、検索結果を最適化し、コンバージョンに繋げたいものです。ここでは、自前の製品検索機能をサイトで提供している場合についてのヒントを紹介します。

 まず確認すべきなのは、検索キーワードに最も適したページが上位にランキングしているかどうかです。サイト内検索ですから、検索キーワードのリストや検索数は把握していると思いますが、実際の検索結果まで確認しているサイトオーナーは少ないようです。また、検索結果に表示されるページのタイトルや説明文も最適化して、検索ユーザを各ページにうまく誘導してください。

悪い検索結果の例:「デジカメ」で検索しても、上位3位はデジカメに関係無い製品が表示されてしまうなど
悪い検索結果の例:「デジカメ」で検索しても、上位3位はデジカメに関係無い製品が表示されてしまうなど

 このように、SEOにはページのコンテンツや他サイトからのリンクビルディング以外にも数々の最適化ポイントがあります。マーケターやサイトオーナーの方々も、各最適化ポイントと内容をきちんと把握し、ITやWeb製作チームの協力を得て、Webサイトの構築プロセスや運営方針にSEOの重要ポイントを入れる事をお勧めします。Web製作会社などに依頼する場合には、これらのポイントをリストにして提出し、最適化されたサイトの構築を依頼しましょう。

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この記事の著者

ハント肇子(ハントモトコ)

 1998年にAJPRを設立以来、世界各地の企業に対してインターネットをベースとした日本市場向けマーケティングを指導。日本及びアジア各地の知識を活かしたサーチマーケティング・コンサルティングサービスは、世界的に有名な企業のサーチマーケティング・キャンペーンを成功へと導いている。また、世界各地のカンファレンスで講演し...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2011/05/19 11:00 https://markezine.jp/article/detail/13738

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