Q. 昨今ソーシャルコマースという言葉が出てきていますが、今後ソーシャルメディアとネットショッピングはどのような関係になっていくと思いますか?
現在はFacebookが非常に注目されており、その「中」でどんなことをするか、という部分に注目が集まっています。
しかし、私たちはむしろソーシャルメディアが真価を発揮するのは、その「外」のサイトにインフラとして組み込まれた時だと考えています。ソーシャルメディアがインフラとして既存のサイトに組み込まれていくことで、今後、インターネット上の行動の多くが、多かれ少なかれソーシャルなものになっていくのではないでしょうか。インターネット上のショッピングも同様に、形は様々であるとしても、ソーシャルであることが当然になっていくと思います。
Q. 今後の目標を教えてください
短期的には、既存サービスのさらなる拡販や、今後急拡大するであろうソーシャルコマース市場の中で新サービスであるソーシャルPLUSの確固たるポジションを確立していく、という目標があります。並行して、中長期的には、新しい価値やそれを具現化するサービスを提供し続けられる「組織」を作り上げる、という目標を掲げています。
Q. 最後になりますが事業をすべらせないためのコツを教えてください
必ずしも、すべらないかどうかは分かりませんが、事業を考える上で意識しているのは、「市場も含めて作る(くらいの気持ちで取り組む)」ということです。
仮に小さくても自分達で定義した市場を作って、そこに対して最も効果的なサービスを提供できれば、トップシェアを取ることができると思います。その後、その市場を大きくしていくことができれば、トップシェアのまま推移できるのではないかと思っています。
実際には、それほど単純ではないと思いますが、フォロワーとして事業を始めないという気持ちを持ち続けています。
インタビューを終えて
Web 2.0が注目された今から5年ほど前、世界中で多くのITベンチャーがユニークなサービスをリリースしていた。しかし、その多くはユニークではあるがマネタイズフェーズまで行かずに、残念ながら消えていったものばかりだった。
Web 2.0ブーム真っ只中にできたフィードフォースが着目し、手がけたものは比較的地味なRSSサービスであった、しかし、ユニークだがマネタイズしない他社を尻目に、着実にマネタイズしていったことが分かる。
その後、RSSフィードからサテライトサイトのニーズを読みとり、サテライトサイトからソーシャルコマース支援サービスを立ち上げている経緯からは、フィードフォースの提供するサービスの背景には、“常にクライアント課題からそれを解決をするものを提供する”という一貫した流れを感じとることができる。
クライアント課題と時代の潮目を読み、そこに適したサービスを提供する。提供する全てのサービス開発背景にぶれない流れがあるからこそ実現できる、好例ではないだろうか。