5:キーワードの評価を行う
最後はキーワードでの評価を行います。主に見るのは「検索結果件数」「GRCを利用した関連キーワードの検索順位」「Google キーワードツールを使ったキーワード分析」「Insight for Searchを使ったキーワードのトレンド把握」です。
それぞれのツールは私の書籍「ウェブ分析論」でも触れています。今回はこの中から「Insight for Search」を使って分析した結果を紹介いたします。
キーワードツールの分析結果も紹介したいのですが、本連載の第1回で詳しく紹介しており、考え方が重複してしまいますので、リンク先を御覧ください。ただ検索結果件数だけは取得をしておきたかったので、結果に追加しています。
では、検索結果件数+検索回数+Insight for Search の結果を御覧ください。記載が無い限りは、2011年7月のデータとなります。

検索回数には大きな違いが無いことがわかります。人気エリアは違いがあり、ヨドバシカメラは都会が多く、ビックカメラは東北が多いという事がわかります。
また直近1年の注目検索クエリはそれぞれの地域の店舗そして、wimaxというキーワードが出てきます。それぞれwimaxのサービスの提供を始めたということもあり、検索結果にも組み合わせワードとして増えているのがわかります。検索結果のトレンドも確認してみましょう。
「ヨドバシカメラ」の場合は「ヨドバシカメラ」と比較すると「ヨドバシ」のほうが若干人気があり、「ビックカメラ」の場合は「ビックカメラ」のほうが「ビック」よりかなり検索結果回数が多いことがわかります。どのワードもトレンドは一緒である事がわかります。そして、それらが減少傾向にあることもわかります。
参考までにヤマダ電機も追加すると、以下のとおりになります。
2008年末くらいに検索の人気度が逆転している事がわかります。ヤマダ電機も追加した上で、売上のグラフと比較してみるのも面白いかもしれません。
終わりに
様々な競合分析方法を紹介してきました。ここで紹介して来たものは一部だと思います。今回分析した内容を更に深堀る事も出来るでしょう。キーワードの分析はまだまだ行うことが出来ますし、Twitterのアカウント同士を比較、はてなブックマークのコメントを確認するといった事も出来ます。
更に今回触れなかった部分で言いますと、FacebookやTwitterのアカウントもその対象です。ビックカメラはFacebookページがあり、ヨドバシカメラはありません。他にも店舗ごとのTwitterアカウントを持っているなど。コミュニケーションのチャネル数と内容を確認する事で、ソーシャルメディアに対する考え方と利用目的が見えていきます。
そして、今回は無料のツールでの分析を紹介してきましたが、有料ツールやサービスを使って違った観点での情報を入手する事が可能です。例えばグループインタビューやアンケートなどを使ってサイトの使い勝手の感想を比較したり、より精度が高い視聴率データを購入して分析したりする事も可能です。
しかし大切なのは分析の目的です。「敵を知り己を知れば百戦危うからず」という故事もありますが、知るのは「戦」のためであり、戦のためには「知る」事が必要です。得られた知見と考えられる施策をセットで行う事を忘れないようにしましょう。
競合分析は自社サイトだけ分析しているよりは、上司に刺さりますし、動き易くなるのは事実です。良い意味で「危機感を煽って」有効活用してください。