スマートフォン向けEメールマーケティングのおさらい
これまでの記事では、当社で“iPhone/iPad”向けに最適化したメールマガジンのサンプルと、それらを制作するにあたっての注意事項や課題、実現方法を紹介いたしました。事例の紹介をする前に簡単におさらいをしましょう。
実際にiPhoneでサンプルを見ていただくと分かりやすいと思いますので、まだご覧になられてない方は当社のWebサイトよりサンプルを受信してみてください。
なぜ、スマートフォン向けEメールマーケティングは必要なのか?
先日、NTT docomoから新機種の発表がありましたが、その新機種の多くがスマートフォンでした。また、iPhoneはsoftbankだけではなくauからも発売されるようになり、iPhone4Sは発売開始から3日間で全世界400万台も販売されています。新しい携帯電話の機種のうち、ほとんどがスマートフォンとなり、その普及台数の伸びは予測を上回る勢いです。
また、当社で実施したアンケート結果によれば、スマートフォンでメールマガジンを受信しているユーザーは、購入や資料請求などのアクションをしやすい傾向にあります(参考記事:スマートフォン向けEメールマーケティング最新動向)。
携帯&PCメールのデメリットを補うスマートフォン
スマートフォン向けのEメールは従来の“携帯(フィーチャーフォン)”と“PC向けEメール”の良いとこどりのEメールマーケティングが実施できます。
“携帯(フィーチャーフォン)向けEメール”の特徴としては、いつでもどこでもメールを閲覧できる利便性があります。ユーザーは待ち合わせや暇つぶしなどの空き時間にメールをチェックできるので、閲覧率(開封率)は高く、またメールが届いたらすぐに開封される傾向があり、タイムセールなど即時性の求められるプロモーションに効果的でした。ただし、デメリットも大きく、配信できるメールのサイズに制限があり、送信できる情報も少なく、デコメールを送ったとしても表現豊かなクリエイティブはできませんでした。
一方、“PC向けのEメール”では表現できる幅は広がりますが、PCの前に座ってないと読めないため利便性が低く、また若い世代ではPCを持っていない層も増えてきているためリーチ率も下がってきているというデメリットがあります。
“スマートフォン向けEメール”はそのどちらの利点も備えていて、「タイムリーかつHTMLメールでの表現豊かなクリエイティブ」が実現可能となります。
スマートフォン向けEメールの課題とは?
スマートフォン向けEメールマーケティングにおいて、大きな課題が2点あります。
まず1点目は「スマートフォンユーザーの見分け方」です。今のところ現実的な方法としては、「スマートフォン向けメールを読みたい」というパーミッションをもらうか、i.softbank.jpを利用しているユーザーをiPhone保有者とみなす方法しかありません。
そして2点目の課題は、「Android端末への対応」です。スマートフォン向けメールマガジンと言っても、iPhoneとAndroidでは表示のされ方が異なるため、スマートフォンを所有する全員に一斉同報配信を行うことはできません。両方に対応させようとすると、iOS向けとAndroid向けのメールをそれぞれ作る必要があります。また、Androidは複数のキャリアから、さまざまな端末で発売されているため、検証する数も「キャリア × 端末 × メーラーのバージョン」と数が多くなってしまいます。
次節では、これらの課題を踏まえつつ、トライアルとしてスマートフォン向けEメールの配信を実施した「ぐるなび」と「ANA」の配信結果の一部を紹介します。