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初心者Webマーケター向けアフィリエイト入門

Webマーケターが知っておきたいアフィリエイト入門


提携アフィリエイトサイトがマーケティング領域を広げてくれる可能性も

 さて、何が言いたいのかというと、アフィリエイト・プログラム導入で目指すべきは「広告費を抑えること」だけでなく、「多様なアプローチで見込顧客と自社商品&サービスの接点を作ってくれる提携サイトのネットワークを構築すること」なのです。

アフィリエイト導入メリット

 まずはイメージしてみてください。自社でアフィリエイト・プログラムを開始した際、どんなサイトと提携する可能性があるか。テーマはどういったものが考えられるか。どういう属性の人達がどんなニーズで集まっているサイトなのか。

 想像を超えたユニークな切り口で、あなたの会社の商品を紹介し、マーケティング領域をぐっと広げてくれるそんな人が現れるかもしれません。

 「提携しているアフィリエイトサイトを見ているだけで勉強になるし、新しいアイディアも得られます」

 ベテランのアフィリエイト担当者はそう語ります。

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アフィリエイト運用者としての心構え

がちがちに管理するのではなく、おおらかに、育成の気持ちで

 まず、通常広告とは別物として考えたほうがいいでしょう。一番の違いは、良くも悪くも「管理することが難しい」点。「出稿したら終わり」ではなく、「導入してゼロスタート」な点です。

 成果報酬型の広告であるアフィリエイトでは、どう掲載・紹介するかはアフィリエイトサイト側の自由です。もちろん、禁止事項を定めたり希望を伝えたりすることは可能ですが、一般的なインターネット広告のように、掲載箇所や方法を指定することは基本的にはできません。

 個人の日記ブログから専門情報サイト、法人運営の価格比較サイトやポイント還元サイトまで様々なレベル&テイストのサイト上に、バナーや商品画像が張られ、紹介のされ方もいろいろです。時にブランドを損ねるような掲載や、後で顧客とのトラブルに発展するような虚偽記載をされてしまうリスクもあります。取り扱っている商品やサービスの種類や、自社のブランドポリシーによっては、「アフィリエイト導入は不向き」な場合もあるのです。

 そうした中、がちがちに管理するのではなく、ある程度のおおらかさ・許容度が必要です。今は稚拙な作りの個人サイトでも、数年後に実力アフィリエイトサイトになる可能性もあり、「育成」という観点で暖かく見守ってゆくことも大切です。

アフィリエイトサイトとコミュニケーションをとる

 提携アフィリエイトサイトとの「コミュニケーション能力」も重要な要素になってきます。「企業と提携アフィリエイトサイト」の関係は、「卸と小売店」「メーカーと販売店」に似た部分もあります。商品をよく知る販売のプロとして、どういう商品がどの時期に売れてゆくのか、ターゲット層やそのニーズ、提案方法、検索キーワードなど、売上成果につながる情報をきめ細かく発信し、提携サイトのモチベーションを高める施策を打ちだしていく必要があります。

 そのためにはまず、「提携アフィリエイトサイトが何を求めているか」を理解しないことには始まりません。企業のウェブ担当者の中には、自社サイト以外は、競合他社をはじめとする企業サイトやニュース系サイトなどしか見ていないという人もいますが、それではアフィリエイト担当はつとまりません。個人運営サイト&ブログ、ソーシャルメディアなど、ネット上のより広い世界に積極的に足を踏み入れていってください。

 アフィリエイトプログラムの本質理解には、自らも一度「アフィリエイトサイト側」として体験をしておくことも重要です。無料ブログサービスを使えば、わずか1時間ほどで簡単に個人ブログを立ち上げることができる時代です。そして記事を書きながら、審査がない楽天アフィリエイトなどを使って、商品を紹介してみる過程を経験してみましょう。

 さらには、アクセスアップやアフィリエイト成果アップに向けて試行錯誤する経験を積めば、アフィリエイトが抱える悩みやニーズもよく理解できるはずです。自然と、自社としてアフィリエイト向けに発信すべき情報や施策も見えてくることでしょう。

成果を焦らない

 「焦らない」「長期スパンで取り組む」ことも肝心です。導入してすぐ成果につながらないのがアフィリエイト。時に数ヵ月間も、アフィリエイト経由の売上件数が1~2ケタなんていうことも十分ありえます。

 アフィリエイトプログラムにおいて、企業は受け身の立場。提携してくれるかどうか、提携したサイトがリンクを張り、商品やサービスを紹介してくれるかどうかは相手次第です。あまり短いタームで評価・判定を下すのではなく、導入後は最低でも半年から1年は「仕込み時期」と考えましょう。

 最悪なパターンは、「成果が出なかったから」「トラブルがあったから」と1年以内に辞めてしまったり、ASP(アフィリエイト仲介業者)を乗り換えてしまうなどです。これでは、提携サイトの労力を無駄に奪うだけ。将来のマーケティングパートナーの反感を買うという、残念な結果となってしまうのです。

 あわてて始める必要もありませんので、これから新規導入を検討している企業の担当者は、まずは書籍を読んだり、実際のアフィリエイトサイト、他社の導入状況(ASPに“アフィリエイトサイト側”として無料登録すれば見ることができます)をじっくりチェックするなどして、自社に最適な導入携帯・運用方法を探ってみてください。

 次回からは、導入~運用のより具体的な手法について紹介をしていきます。

導入~運用手法を解説

・Webマーケティングにアフィリエイトを使おう!【1】 プログラム導入前にやるべきタスクまとめました
・Webマーケティングにアフィリエイトを使おう!【2】 アフィリエイトサイトが使いやすい、リンク素材クリエイティブ
・ Webマーケティングにアフィリエイトを使おう!【3】 成果が上がる、アフィリエイトサイトのリクルーティング
・ Webマーケティングにアフィリエイトを使おう!【4】 キャンペーン&イベントでアフィリエイトを活性化しよう
・ Webマーケティングにアフィリエイトを使おう!【5】 アフィリエイト運用におけるリスク管理

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この記事の著者

和田 亜希子(ワダ アキコ)

1994年早稲田大学政治経済学部卒。住友銀行、ライコスジャパン(検索エンジン)、カレン(メールマーケ支援)を経て2001年独立。アフィリエイトASP「LinkShare」からの受託で、個人アフィリエイト支援業務やアフィリエイトコンテストの開催に携わり、またECサイトのアフィリエイト導入やアフィリエイト・リレーションシップ・マネジメント(ARM)にも従事している。1999年に立ち上げた日本で最初のアフィリエイト専門情報サイト「アフィリエイトINDEX」をはじめ、「東京ホットスポット情報館」「東京...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/01/04 14:30 https://markezine.jp/article/detail/14709

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