「誰に」「どんな状況」など、条件でメリットは異なる
たとえば、若い男性向けといった対象ユーザーが絞られて開発された商品であるなら、メリットも想像しやすい。しかし、幅広い年齢、男女両方でも使える商品の場合は、年齢や性別でそれぞれメリットを考えておく。また、さまざまな使用シーンやタイミングまで想定しておくと、いろいろなメリットが発見できるはずだ。
それらに強い訴求力があるかどうかは別にして、新しい需要を生みだす可能性もあるからだ。ドラッカーのいう<顧客の創造>というやつだ。小学生向けに作ったら、お年寄りにウケたなんてこともあるかもよ。
たとえば、片手で持てるサイズと重さが特徴だとする。<持ち運びしやすい><カバンに入る>というのは容易に想像がつく。では、赤ちゃんのいるママが使うとどうなるか?と考える。そうすると、<片手で持てるから、赤ちゃんを抱いたままでも使える、便利!>。そんなメリットがウケるかもしれない。
「ジョブズならこう言うね」って感じで書く
コピーを書くプロセスで、このメリットを発見する段階は、表現を考えると同じくらいアタマを使うし、労力もかかる。しかし、連載第1回で述べたように、この段階をクリアすればコピーは半分完成したようなもの。だから、ここで楽をせずにひとがんばりしてね。
書きあげたコピーを見直すとき、そこに商品を体験したときに得られる“感動”が入っているだろうか? <優れた>とか<画期的>といったコトバで機能や特徴を飾っているだけではないか? ぜひチェックして、商品ではなく、メリットを語ってほしい。「ジョブズならこう言うね」という感じで。

●スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン(カーマイン・ガロ/日経BP)
いきなりジョブズのようには無理でも、受け手がわくわくするような伝え方をするには、どう考えればいいのか、本書を読むと発想力が刺激されます。「iPodはガムより小さくて軽いんだ」のように、分かりやすく短いコトバで価値を伝えるジョブスの表現には、キャッチコピーのヒントが満載です。
Webの記事を読むのもいいけれど、リアル有田憲史さんに会って直接講義を受けませんか?
「コピーの中で最も重要なキャッチフレーズの作り方」「説得力アップのためのフレームワークとレトリックの紹介」の2点に重点を置き、動かす、読まれるWebコピーの発想と作り方を伝授します。キャッチコピー、ボディコピーを実際に書いていただき、その場で講師が添削するワークショップの時間を設けています。