GPSもWi-Fiも、精度が低すぎて使えない
「スマポ」は、集客のためのチラシを、費用対効果のわかる、オンラインの成果報酬型のサービスに置き換えていこうというアイデアから生まれた。
アプリをスマートフォンにインストールした人が来店すると自動的に検知し、何も購入しなくても、ひとつの売場につき10~30円相当の共通ポイントを付与する。すでに、大丸、ビックカメラ、ユナイテッドアローズ、HIS、ドクターシーラボなどが東京を中心とした店舗で導入しており、今年からはマルイ、ITO-YAでもスタート。ポイントは参加店舗で横断的にためることができ、発行される商品券などに交換できる。
しかし、お客さんが来店したことを正確に検知するのは、意外にも難しい。スマポは、スマートフォンのGPS機能を使って検知しているかというと、そうではない。GPSでは「渋谷駅の近くにいる」ということはわかっても、特定のお店のなかにいることはわからない。Wi-Fiを使っても誤差が大きい。では、どうやって?
スマポは、店舗の内部に特殊なシグナル発信機を設置している。そのシグナルは、ガラスや壁、床などの障壁を通り抜けないので、ショッピングモールなど、多数の店舗が入っているビル内でも、違うフロア、隣の店舗にいる人を検知することがない。この機器自体も、スポットライトが自社開発している(特許出願済み)。
NFCでお客さんに端末にタッチしてもらったり、Foursquareのようにユーザーが自己申告するのでもない。柴田さんはこれを「お店からお客さんに話しかけるようなサービス」と呼んでいる。