日本テレビ、次世代テレビのあり方を見据えた組織改編
日本テレビは昨年12月、次世代のテレビ視聴のあり方を見据え、Webサービスを含めたさまざまなメディアを横断的に活用するため、メディアデザインセンターを新たに設立した。それまでは、広告収益型や課金・販売型など、各メディアのビジネスモデルによって管轄する部署が異なっていたが、個々のサービスの最適化を追うあまり、全体最適の視点に欠ける面もあったという。
「今や、テレビ局のほとんどの事業にWebが関わる時代です。テレビ局には『放送外収入』という言葉がありますが、放送と切り離して個々のサービスを展開するフェーズは既に過ぎています。そこで、各部署に散っていたWebやデータ放送などの多様なツールを集約し、当社のさまざまな事業により戦略的に寄与させるために、人数も大幅に増やして新しい部門を立ち上げました」(同センター メディアマネジメント部 戦略担当副部長 太田正仁氏)
今まで以上に視聴者が楽しめるコンテンツを提供することはもちろん、クライアントに対してもメディアやコンテンツを横断的に活用し、フレキシブルな広告を提案していく考えだ。
1つの会社で多様なメディアを持つ強みを活かしきる
メディアデザインセンターは、全体戦略と収益化を担うメディアマネジメント部と、メディアへの集客や番組との連携を担うメディアクリエイション部に分かれている。メディアマネジメント部では、公式ホームページやデータ放送、スマートフォンアプリなど、日本テレビが持つさまざまなツールを地上波とともに横断的に活用し、「クライアントの目的や状況に応じたフレキシブルな広告展開を拡大する」としている。
そもそも日本テレビでは、2005年に他社に先駆けて動画配信サービス「第2日本テレビ」を開始。地上波番組と連携したカスタマイズ型広告商品を積極展開するなど、先進的な取り組みが話題を集めた。
「これまでは、自由度の高い広告を展開する場として、第2日本テレビを積極的に活用してきました。しかし、メディアの種類が多岐に渡り拡大する現状で、特定のメディアに依存する形だけではクライアントの課題を解決しきれない。ひとつの会社でここまで多くのメディアを持つ企業はほとんどありませんから、横断的に活用し、その強みをもっと活かすべきです」