2011年の広告費は5兆7096億円、前年比97.7%
電通が発表した「2011年(平成23年)日本の広告費
」によると、昨年2011年(1~12月)の日本の総広告費は5兆7096億円、前年比97.7%。前年を割り込むかたちになったが、後半は広告出稿が活性化した。媒体別にみると、「テレビ広告費」(前年比99.5%)、「新聞広告費」(同93.7%)、「雑誌広告費」(同93.0%)、「ラジオ広告費」(同96.0%)のいずれも減少し、「マスコミ四媒体広告費」は同97.4%と前年を下回った。
一方、地デジ化に際しての3波対応テレビの普及で「衛星メディア関連広告費」(同113.6%)は2ケタの伸びを示した。また、「インターネット広告費」(同104.1%)はソーシャルメディア活用などの新手法が増えた結果、引き続き増加となっている。
インターネット広告費は8062億円、前年比104.1%
インターネット広告費についてみると、「媒体費」は6,189億円で、前年比101.8%。うちモバイル広告費1,168億円、検索連動広告費(PC領域のみ)は2,194億円。「制作費」は1,873億円、前年比112.2%となっている。
2010年に堅調な伸びを示したインターネット広告媒体費は、2011年も伸長を維持していたが、3月の東日本大震災の影響により市場が一部停滞。モバイル広告市場においてはスマートフォン向け広告が拡大する反面、フィーチャー フォン向け広告が縮小したこともあり、市場全体としては前年をやや超える規模に留まった。
ウェブ(PC)広告は5,021億円で前年比103.0%(検索連動広告を含む)。ウェブ(PC)広告のうち、検索連動広告については震災の影響は軽微に留まり、金融やeコマースなどの業種を中心に堅調に推移して2,194億円、前年比107.8%となった。
スマートフォン向け広告は337億円と急増
モバイル広告は、1,168億円で前年比97.3%(モバイル検索連動広告を含む)。現時点では、一部の費用はスマートフォン向けのアプリの開発費に流れるなど、従来のフィーチャーフォン向け媒体費が必ずしもスマートフォン向け媒体費にそのまま移行しているとはいえない状況となっている。
また、スマートフォン向け広告は337億円(うち検索連動広告208億円)と、急増するユーザー数や注目の高まりに応じて急激な拡大をみせた。また、フィーチャーフォンとスマートフォンを合わせたモバイル検索連動広告は463億円(前年比162.5%)となった。
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