ステップ1:実施目的を明確に
第1回に出てきたプロジェクトA・Bでは、Webサイトから引き合いを取ることが営業の活性化につながると信じていた。しかし、実際にWebサイトから引き合いが増えたものの、一向に売上につながらない。
ふたを開けてみれば、営業部門の手が回らず、増えた問合せにほとんど対応ができていなかったのだ。せっかくWebサイトがうまく機能しても、売上につながらないのであれば意味はない。
まだまだ多くの人は新規引き合い獲得こそが、Webマーケティングだと考えているかもしれない。だが、引き合いは売上ではない。売上につながる最後までを念頭においた戦略を練らなければならない。
そのためWebマーケティングの施策は、営業の課題解決につながらなければならないと考えるとよいだろう。営業が現在抱えている課題をWebサイトの力を使って解決し、どんな新しい営業のプロセスにバージョンアップできるのか、という視点が重要だ。
- 新規顧客向けの対策は十分に機能しているだろうか?
- 既に接点のある顧客への対策は十分に機能しているだろうか?
- 既存顧客への対応は十分に機能しているだろうか?
今一度、自社の課題を振り返り、どのターゲットでWebマーケティングが活躍できるのかを冷静に判断する必要がある。
もしなんとなくWebサイトを構築してしまっただけならば、しっかりと目的とする方向にむけて舵を切らなければならない。入念な営業メンバーへのヒアリングを通じて、本当に解決すべき課題の本丸へと切り込む必要があるのだ。
ステップ2:どんな状態の顧客を狙うべきかを明確に
第2回で登場したプロジェクトCでは、デモンストレーションを自社で行うのか、客先で行うのかが議論になった。
もし自社でのみデモンストレーションを行っていれば、予算があまり確保できていない顧客しか反応しないWebサイトになってしまったかもしれない。しかし、プロジェクトCでは客先まで行くと宣言したことで、実際に成約につながる確率の高い商談を獲得できた。
Webサイトに掲載するコンテンツやそこから伝わるメッセージによって反応する顧客は変わってくる。逆に言えば、「どんな顧客を狙いたいか」によって、コンテンツやメッセージは変えるべきなのだ。
そのためにも、まず「どんな顧客を狙いたいか」は明確にしておきたい。
顧客の状態でみれば、大きく分けて顧客の意思決定の上流工程を狙うのか、下流工程を狙うのかに分かれる。
- 検討期間は長いが、予算策定からコンサルティング営業を展開できる上流工程をしっかりと狙えているだろうか?
- 検討期間は短いが、価格競争になりがちな下流工程に響くメッセージを発信できているだろうか?
顧客の状態をイメージしながら、狙った顧客を引き寄せるサイトへと常にブラッシュアップしていかなければならない。