ビジネスアカウントはアウェイ 売り込みすぎず、情報として提供を
重要なのは、「ソーシャルメディアは企業のための場所ではない」ことを認識すること。ソーシャルメディアは基本的に知り合い同士が交流する場であり、企業などのビジネスアカウントはそこに混ぜてもらっている状態だ。
ソーシャルメディア上で商品・サービスの紹介をする場合は、あらかじめユーザーとコミュニケーションを取り、関係性ができていることが前提となる。紹介する際も、けして売り込みすぎず、あくまで情報として提供することがポイントだ。
情報を提供する場合も、情報として興味を持たせるだけの価値がなければ、ユーザーは無視するだろう。逆に有益な情報であれば、ユーザーは自らその情報を入手し、さらには他人にも役立つ情報だと考えれば、周囲におすすめや紹介までしてくれることがある。つまり、
- ユーザーの得になる
- 他のユーザーに薦めたくなる
という2点を満たした情報を発信することで、企業の情報はユーザーに受け入れられるだけでなく、広まる可能性があるわけだ。
ネット通販だけでなく実店舗も運営しているなら、クーポンなどの特典を発行することで来店を促してもいいだろう。来店してもらうことで何らかの体験を通して好感度が上がる可能性がある上、「ついで買い」「衝動買い」の機会が生まれるからだ。
次からは、サービスごとの具体的な販促手法を見ていこう。
Twitterによる実践的手法(1)東急ハンズに学ぶ
Twitterはユーザーと1対1のコミュニケーションが取りやすいので、ユーザーからのリプライ、メンションに答えたり、ユーザーのツイートをリツイートするなどの交流を重ねて、強い関係を築くといいだろう。
Twitterは属人性が高いので、人間性やキャラクターを出したツイートがおすすめだ。人間性を出す会話、リプライなどのユーザーとの交流、商品やサービスの情報発信は、バランス良く行う必要がある。Twitter運用のうまさで定評のある東急ハンズは、この割合を「リプライ5:おしゃべり3:発信2」としている。
それぞれ、具体的に以下のとおりである。
- リプライ……ユーザーからのリプライやメンションに答える
- おしゃべり……人間性を出す日常的な会話
- 発信……企業からの広報的な情報や販促につながる情報など
東急ハンズ担当者によるTwitterを使いこなすポイントは以下のとおりである。
- できる限り毎日、決まった時間にお気に入りのツイートをする
- できるだけリプライには返信する
- 「ハンズ」というキーワードを含むツイートを常時検索(エゴサーチ)して、面白いモノには積極的に返信する
- ツイートの内容が偏らないように心がける
- 相手の方に合わせ、会話の流れを壊さないようにする
- 自分では解決できなかったりわからなかったりする質問は、必ず該当の窓口なり最寄りの店舗なりを紹介する
- リアル店舗に足を運び、写真付きでツイートするなど、臨場感のあるツイートをする
- 自分のキャラを無理に隠したりせず、自然対でツイートする
- Twitterでのコミュニケーションのルールは店頭での接客と同じ
- 企業のアカウントは凹んではいけない
東急ハンズのソーシャルメディア活用についての過去記事もご参照ください。
⇒ 東急ハンズのソーシャルメディア担当者に聞く、12万人のファンを誇る人気アカウントの舞台裏