ロケタッチを活用する ~GEOBOXに学ぶ~
現在日本でキャンペーンとして取り組みやすいのは、日本発のサービスであるロケタッチやコロプラなどだろう。
ロケタッチは、スマートフォンなどにアプリをダウンロードすると、ユーザーの位置情報に合わせて様々な場所にタッチできるサービスだ。「タッチ」とは、位置情報を使い、ある場所に自分がいることを知らせること。タッチ内容に応じてシールが入手でき、タッチ回数が一番多いユーザーはその場所のリーダーとなる。タッチした情報は、TwitterやFacebookなどで共有することもできる。

また、店舗ページを自ら「オーナースポット」として無料登録できる。登録すると、「ロケタッチオーナーズ」という店舗ページの編集・投稿管理、タッチ数の推移や時間帯などの解析、競合店の状況確認、タッチ履歴の集計に基づく常連ランキングの表示、各種クーポンの発行などの管理機能が利用できるようになる。提供できるクーポンは、店舗側がユーザーのセグメントを絞って送信する「プレゼントクーポン」と、ユーザーがタッチで自ら入手できる「チェックインクーポン」の2種類だ。常連候補に絞ってクーポンを発行することで、リピーター獲得につなげるなどの使い方が考えられる。
これまでに、最寄り駅や商業施設に設置されている自動DVDレンタル機「GEOBOX」とコラボキャンペーンなどを行っている。GEOBOXにタッチすると、その場でDVDレンタルが50円引き、100円引きとなるクーポン券が当たる仕組みだ。クーポン目的にGEOBOXに登録・参加するユーザーもいるだろう。クーポンはレンタルを促進し、タッチは周囲に表示されるので、販促効果が期待できる。GEOBOXの認知度を高め、販促につなげる有効なキャンペーンと言えるだろう。

その他、プーマやTOWER RECORDSなどと、チェックインするとそれぞれ特別なシールがもらえて、集めるとプレゼントが当たるキャンペーンなども行っている。ロケタッチでは「シール収集」が目的の1つになっているので、ある図鑑のシールを集めるためにチェックインするユーザーも期待できるだろう。
実際にロケタッチと連動したキャンペーンを行いたい場合は、運営会社のライブドアに問い合わせる必要がある。
コロプラを活用する ~日光の土産物店に学ぶ~
「コロニーな生活☆PLUS」、通称「コロプラ」は、携帯電話を使った位置情報ゲーム。移動すると携帯電話の位置情報機能を利用して移動した距離を計算し、距離に応じてゲーム内で使える仮想通貨がもらえる。そのお金で自分のコロニー(街)を育てて、他のユーザーと交流するというサービスだ。

実店舗で商品を購入するとゲーム内アイテムがもらえる仕組みで、多くの販促キャンペーンを行い、成功に導いている。具体的には、提携店で商品を購入すると、購入金額に応じて「コロカ」というカードがもらえる。1,000円、2,000円、5,000円分買い物をすると、それぞれ青、銀、金のコロカがもらえ、コロカについているシリアルナンバーを入力することでデジタルアイテムが入手できる仕組みだ。
日光の土産物店では、「指定の店舗で商品を買わないとゲーム内でのレア土産も手に入らない」という設定にしたところ、コロプラのプレーヤーが1ヶ月で800人も訪れた。1人で2万円分も和菓子を購入した人もいたという。
同サービスは、月間2万人以上の購買客を全国の店舗へと送り出し、月間1億2千万円を超える“お出かけ”需要を生み出している。提携基準などが設けられているので、提携を希望する場合はコロプラに問い合わせる必要がある。
連載まとめ
これまで3回にわたって、ソーシャルメディアを使った販促の手法についてお伝えしてきた。さらに詳しい内容や、 本連載では取り上げられなかった「サイト誘導」「ブランディングと広告」「顧客サポート」「運用手法と効果測定」などについては、『Facebook+Twitter販促の教科書』(翔泳社刊)を参照いただきたい。特に実際に運用する前には、ぜひ運用手法と効果測定の項を読み、ポイントに注意して効果的に取り入れていただければ幸いだ。ぜひソーシャルメディアをうまく活用して、ビジネスを 成功に導いてほしい。