ゲーミフィケーション・カンファレンスで次のフェーズへ
「ゲーム」という概念の形成、ゲームにかかわる認知現象などを研究テーマとし、書籍執筆や講演活動を行っている、国際大学GLOCOM 客員研究員の井上明人氏は、今回のカンファレンスを次のように位置付ける。
「2011年半ばくらいからゲーミフィケーションという言葉としては広まってきました。でも、ゲーミフィケーションは言葉だけで流行っているけど実体ないよね、という受け止め方がネットの反応を見ると多かった。それが2012年くらいから、我々の本なども出てきたこともあってか、ちょっとずつ内実が伝わってきました。
2011年くらいだと『ゲーミフィケーション(笑)』みたいなかんじだったのですが、今では『実はこれ面白いムーブメントなんだよ』と言ってくれる方が増えてきました。そのうえで、今あらためてどういうふうにこれを評価するのかということを、いろんな方が考えているフェーズだと思います。」

ゲーミフィケーションとは何かという基本的な段階から、次のフェーズに入りつつあると感じている井上氏。今回のカンファレンスについては「参加者は覚悟して来てほしい」というのが3人の一致した考えのようだ。
「今回はやっぱりお客さんに求めるものも高いんですね。なんとなく…でいらっしゃった方の『よくわからなかった』という声がネットでちらほら聞こえるくらいでいいと思っています。あらかじめ基礎的な知識をもったうえできてほしいですね。」(井上氏)
資料を見ればわかることには時間を割きたくないというのが運営委員のスタンス。このあたりから、運営委員の本気度がヒシヒシと伝わってくる。参加者には、あらかじめ資料や情報が提供されるので安心してほしい。それらにあらかじめ目を通したうえで会場に足を運ぼう。
日本ならではのゲーミフィケーションを
今回のカンファレンスのロゴは、和のイメージを取り入れてデザインされた。日本ならではのゲーミフィケーションを打ち出したい、日本ならではの事例をつくっていきたいという想いがそこに込められている。

深田氏は、「本にも書きましたが『おもてなし』、つまりユーザーをどれだけ真剣に考えられるのかということがゲーミフィケーションの機能でもあり、ソーシャルメディアもそういうものだと思います」と語る。
「ゲーミフィケーション」「サービス精神」「おもてなし」、意外なこれらのキーワードが日本ならではのゲーミフィケーションにつながっていく。6月28日、ゲーミフィケーション・カンファレンスの会場は、1日中東京で一番熱い場所になりそうだ。