「求人メディアより重要」と言われるリファーラルのメリットとは
このリファーラルには様々なメリットがありますが、次のようなアンケート結果が出ています。
1位:企業文化や価値観への親和性
2位:採用行程の短縮
3位:採用コストの削減
4位:上司からの高い満足度
5位:長い就業期間(少ない早期退職)
6位:短期間での成果

また、アメリカの転職者にとってもリファーラルを活用した転職手法は、新聞・雑誌などのメディアやネットの求人媒体よりも重要であるというデータもあります。

国内でもリファーラルはすでに活用されている
リファーラルの重要性は、アメリカのみならず日本でもデータで読み取ることができます。「人材サービス産業の近未来を考える会」が厚生労働省の「雇用動向調査」をもとにした発表によると、年間転職者の23.4%となる93万人が「縁故」を活用して転職していると出ています。

「人材サービス産業の近未来を考える会」が発表した年間求職における縁故を締める割合
ソーシャルで便利になった「人づて」採用=リファーラルリクルーティング
「縁故」や「コネ」というと、血縁や宗教上のつながりを連想させる英語の「nepotism(縁故主義、縁者[身内]びいき)」などのような、少し閉ざされた印象を持たれがちです。しかし「リファーラル」は、もっと広い「人づて」という意味を指します。
オフラインで行われてきた「人と人のつながりによる信頼」による転職・採用活動が、ソーシャルグラフを活用することで、もっと便利に、もっと簡単になったのです。
私たちは、こうした転職・採用活動をソーシャルリクルーティングの1つとして位置づけ、「リファーラルリクルーティング」と呼びたいと思います。
今後、APIやプラグインによって、もっと容易に、さまざまなソーシャルグラフを活用できる時代がやってきます。その際には、このリファーラルリクルーティングという新しい市場が盛り上がり、結果として雇用情勢の改善や理想的な雇用関係など、より良い未来へのきっかけがもっと生まれることが期待できるのです。
まとめ
3回目となる今回は、ソーシャルメディアによってさらに注目を集める、アメリカの「リファーラル」についてご紹介しました。企業はもちろん、求職者にとってもメリットのある方法ですから、日本でも古くから行われてきた「人づて採用」が、ソーシャルメディアにより、さらに発展していくと考えられます。
我々は、今後のより一層のソーシャルシフトが進行し、ソーシャルメディアが電気、ガス、水道と同等のインフラとして今まで以上になくてはならない存在になったときこそ、インターネット上だけではない、「人と人のリアルなつながりや信頼関係」が大切になってくると考えています。
最終回となる次回は、「人と企業の関係のこれからと大切なこと」として、進むソーシャル時代でビジネスパーソンが重視すべき点、企業がチェックせざるをえない点をまとめます。