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Responsys Interactレポート

「鉄は熱いうちに打て」を実現
Eメールマーケティングのオートメーション化と最適化


 5月1日から3日間にわたって米Responsys社のイベント「Responsys Interact 2012」がサンフランシスコで開催された。この記事では、Eメールマーケティングにおけるオートメーション化に関する内容をお届けする。

「ウェルカムプログラム」のオートメーション化

 Responsys Interact 2012 ではResponsysのクライアント企業が数多く登壇した。Eメールマーケティングに関する具体的かつ実践的な内容が多く、セッションごとのテーマもかなり絞り込まれていた。参加者からも突っ込んだ質問が相次ぎ、活発な議論が交わされた。今回の記事ではその中から登録直後のフォロー、いわゆる「ウェルカムプログラム」のオートメーション化に関する内容を紹介する。

 最近のEメールマーケティングは、顧客一人一人に最適なタイミングで相応しいコンテンツを配信することが実現できるようになっている。また、素早くテストを繰り返してPDCAサイクルを回すため、様々なデータに基づいたオートメーション化が進みつつある。中でもウェルカムプログラムは最も自動化しやすくその効果も大きいため、事例として取り上げられることが多い。今回も2つのセッションでオートメーション化されたウェルカムプログラムの事例が紹介された。

ウェルカムプログラムの3段階の進化

 最初に紹介するのは初日のジェネラルセッションで登壇したオンライントレードのScottrade社。Eメールマーケティングの戦略・実行を担当しているエイプリル・ミューレン氏が「Marketing well orchestrated.」と題して自社のウェルカムプログラムの3段階の進化について話した。

第一段階 プログラムの自動化

 まず最初は登録後21日間の自動ウェルカムプログラムである。登録後3日おきに計7通のメールを送信し、システムの操作方法や投資の始め方などについて詳しく説明する。

 最も初歩的なオートメーション化であるが、7通ものメールを出す例は日本では珍しいかもしれない。Responsys Interact Suiteでは、写真のようなUIでそれぞれのパーツを連結することで自動実行のプログラムを組み立てることができる。

第二段階 テストと最適化の自動実行

 次のステップはプログラムのテストと自動最適化である。

 まずプログラムの途中でリストを8%、10%、10%、72%の4つに分ける。8%をコントロールグループとし、ウェルカムプログラムの実施対象から外してプログラムそのものの有効性を検証する。

 10%のグループ2つに対しては異なる件名でそれぞれメールを送信し、効果を比較する。その3日後に、テストした2つの件名のうちレスポンスが高かった方の件名で残り72%のグループに対してメールを送信する。これら一連のプログラムが全て自動実行される。

 グループ数やその割合、配信間隔の日数、効果測定のための指標などは全てUI上で簡単に変更できるので、効果を確認しながらその場で設定を変更していくことができる。

第三段階 クロスチャネル展開

 次はモバイルの追加である。米国の場合いわゆる「ガラケー」ではないので一般的には「モバイルメール」といえば携帯電話に届くSMS(ショート・メッセージ・サービス)のことだ。

 Scottrade社の場合はこれまで展開してきたプログラムにSMSの送信を加えた。登録のすぐ後に最初に届くメールだ。内容は簡単でテキストしか送ることができないが、お知らせとしての効果は高い。モバイルのパーミッションを別に取得し、OKの人にはモバイルのウェルカムメッセージが自動的に配信される。

 実施している内容自体は登録をトリガーとした自動メール配信とシンプルな効果検証や件名テストで特に複雑ではないのだが、テストと最適化を同時に行い、そのフローを全て自動実行している点が先進的である。また、アイデアがあればすぐにテストを実施して結果を即反映するというPDCAのスピード感がとても印象的だった。

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この記事の著者

岡本 泰治(オカモトヤスハル)

 株式会社ディレクタス 代表取締役。リクルートを経て、ディレクタスを設立。数多くの大手企業のeCRM及びEメールマーケティングの戦略を立案し実行を支援。現在は複数チャネルを横断したクロスチャネル・マーケティングのためのコンサルティングとCCCMなどのツール提供、運用支援を行う。著書に『BtoC向けマーケティングオートメーシ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/10/25 17:57 https://markezine.jp/article/detail/15742

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