中国のスマートフォンユーザーの属性と利用環境
連載第1回は、アドウェイズ海外事業部 中国ユニットリーダー、堀井良威が担当します。私は現在、日本および中国にて広告事業およびスマートフォン事業に従事し、現在は上海にて海外デベロッパーの中国展開支援事業を担当しています。
さて、アドウェイズは昨年から海外展開を加速させ、2003年から進出する中国に加え、台湾・香港・インドネシア・フィリピン・タイ・米国など海外子会社も各地に設立しています。今回は、中国におけるスマートフォン市場のユーザー動向とアプリビジネスの可能性について説明し、今年の4月に提供を開始した「AppDriverChina」について紹介します。
中国市場をおさらいしてみると…
やや乱暴に中国スマートフォン市場のアウトラインを描くとすると、10億人の携帯電話保有者の50%にあたる5億人が携帯電話でネットに接続し、さらにその50%の2億人強がスマートフォンユーザーで、さらに50%が3G回線で契約していると言われています。つまり約1億人が常時ネット接続可能なスマートフォンユーザーということになります。これをOS別のシェアにブレイクダウンすると、Android端末は70%、iOS端末は30%になります。
端末を価格帯別に見ると、4000人民元(約5万2000円)を超えるハイスペック端末が50%を占め、それ以外の50%をミドルレンジとローレンジ端末が占めています。代表的なハイスペック端末メーカーは、iPhoneを開発している米Apple社や台湾HTC社、韓国SAMSUNG社があります。
iPhoneがハイスペック端末の牽引役ですが、国内外含めた各端末メーカーがここ最近積極的に投入しているのが1000人民元(約1万3000円)前後の低価格Android端末で、ローレンジとなるこの層がスマートフォンユーザー増加の大きな起爆剤となっています。
富裕層はiPhoneを使い、低収入層はAndroid
日本と比較しても端末ラインアップは豊富であるため、端末の価格帯は所得別の利用率にも影響しています。以下の図は、月収と端末OSの関係図です。
大卒初任給である月収3000人民元(約4万円)から、IT・金融・通信系の高収入業種の平均給与6000人民元(約7万8000円)までの範囲の中間所得者層では、iOSとAndroidの利用率には顕著な差は見られません。それ以外の3000人民元(約4万円)以下の低収入層と、6000人民元(約7万8000円)以上の富裕層におけるOSの利用率は顕著な違いが見て取れます。端的に言うと、富裕層はiPhoneを使い、低収入層となる大衆はAndroidを使うという構図となっています。