海外マーケットでの勝負に大切なこと!
連載第2回は、上海にて4年間中国デジタルマーケティングに従事し、5月から中華圏担当として台湾・上海・香港を担当する埴渕修世(はにぶち しゅうせい)が、消費者の具体的なスマートフォンの利用状況から、スマートフォンビジネスのアプローチについて解説します。調査から得た数字ではなく、現地のユーザーにフォーカスを当てて、いま流行っているもの、そして現地のユーザーの雰囲気が伝わればと思っています。
国内市場においては、当然のように多様なターゲット消費者がいるということを認識していますが、海外進出を検討し始める段階においては、「中国人」「ベトナム人」「タイ人」という単位でひとまとめにして考えてしまうことがよくあるように思います。
実際にはお金持ちの人、頭がいい人、音楽が好きな人など日本人同様に十人十色なのですが、消費者の顔というものが見える機会がないことが原因で「◯◯人」として議論することが多いようです。そこで今回は、現在私が生活する台湾の人にフォーカスしながら、台湾市場だけでなく、中国市場についての状況をレポートさせて頂きます。
FILE 01:長身モデル風の美女・郭さん
まず1人目の調査は郭さん(仮名)。スレンダーな170cmを超える長身モデル風の21歳学生です。
よく使うアプリ:WhatsApp、美图秀秀(mei tu xiu xiu)、Instagram
ゲームはする?:少し
日本のコンテンツで好きなもの:ハローキティ、かわいい。
有料アプリ、アプリ内アイテムを買ったことは?:Angry Birds
携帯での購入経験は?:ありません
おそらくどの国の若者でも共通ですが、郭さんもコミュニケーションツールを多く利用していました。目立ったのはインストールしているカメラアプリの多さです。カメラのフォルダが2つあり、合計20個近くのアプリをインストールしていました。日本以外のアジア圏では、自分撮りをすることが多いです。郭さんも写真撮影をお願いするとばっちりポーズも決めてくれました(右下の写真)。
美图秀秀(mei tu xiu xiu)という中国発のカメラアプリは、中国人女性は必ずと言っていいほどインストールしています。このアプリのウリは「PhotoShopよりも簡単に写真をきれいにできる」というもの。
中華圏で「PSする」という動詞があるほど女性はPhotoShopの技術に長けていることが多く、このアプリもPhotoShop同様の機能を簡単に利用できるというクチコミのしやすさが人気の秘密かと思います。現在、PC版も含め1.2億人が使っているとアプリのホームページには記載されています。
(注:本稿写真には加工は加えていません)