「SEM≠リスティング広告」、「SEO≠検索エンジン上位表示」
言葉の定義の問題でしかないが、SEM(Search Engine Marketing)とは「検索エンジンおよび検索エンジンを使うユーザに対してのマーケティング手法」であり、その代表的な手法は大きく2つに分けられる。1つ目は広告手法としてのリスティング広告であり、2つ目は技術手法としてのSEO ( Search Engine Optimization ) である。巷ではSEMとSEOが並列でとらえられることが多いが、こうした見方は広義の意味では合っているが、狭義の意味では間違っていると著者は考えている。
またSEOに関しても、スパム的な手法は問題外として(ここでは何をスパムとするか議論はせず、各エンジンのガイドラインに委ねる。※注①)、「各検索エンジンでの上位表示」のみをSEOと言うのも間違っていると考えている。これはSEOの技術施策を行った結果でしかないからである。
※注① 各検索エンジンのガイドライン
「Google:ウェブマスター向けヘルプ センター」
「Yahoo!:サイト管理者向けヘルプ」
「MSN:サイト オーナー ヘルプ」
リスティング広告とSEOは、なにが違う?
リスティング広告とSEOを混同している人も多いが、そもそもは上記のように、それぞれ「広告」手法と「技術」手法であり、その手法の結果、ユーザが目にする検索結果上での掲載/表示位置も異なっている。
リスティング広告は、各サービス(ex, Overtureスポンサードサーチ, Googleアドワーズ広告)のガイドラインに則り、費用さえかければ、一定のコントロールにおいて掲載期間・位置・予算・説明文、リンク先などの意図的な管理が可能である。それに対し、SEOは費用をかけたからといって管理は不可能…と言いたいが、実際のところ表示順位の完全なコントロールは無理だが、費用に準じてある程度のコントロールは可能である。しかし、GoogleがSEO施策としてのテキスト広告の否定性(※注②)を1つの方向性として示したことはこれまでのSEOの方向性を変えていくひとつのきっかけかもしれない。
※注② Googleが示したSEO施策としてのテキスト広告の否定性
『How to report paid links』[Matt Cutts*] *米Googleエンジニア
『Googleのテキストリンク広告通報フォーム』
さて、リスティング広告とSEOのもうひとつ大きな違いとして、「キーワードの考え方・扱い方」という点がある。次にこちらについて説明しよう。