ソーシャルメディア活用のルールは、押しつけではなく、考える機会を設けることで浸透させていく
全社員がガイドラインを理解し、実践できるようになることがガイドライン浸透の最終ゴールですが、まずは段階的に管理職を対象としたワークショップから着手しました。管理職が理解を深めれば、ソーシャルメディアについて社員同士が語る組織風土が生まれ、浸透していくと考えたからです。
ワークショップでは、「機密情報漏洩」と「ブランド毀損」に該当するか否か、微妙なグレーゾーンの事例を複数用意して、◯×形式で参加者の意見を出し合い、「なぜOKなのか、NGなのか」「派生したケースはどう判断したらいいのか」など細部まで議論しながら、やっていいこと、悪いことのラインの目線合わせを行っていきました。
ある事例では、OK事例としてこちらが提示したものが議論の結果NGになる、つまり、より厳しい線引きの判断をする結果になることもありました。たとえ、明確な答えが出ないケースバイケースで考える必要がある点が残ったとしても、意見を出し合い目線を合わせることはガイドラインを規定することに繋がっていきました。
そして、ソーシャルガイドラインの策定とそのワークショップは大きな副産物を生み出してくれました。それはブランドへの意識の高まりです。ガイドラインは「ソーシャル上の振る舞い」を規定するものでしたが、ワークショップを行ったことで「SUUMOブランドを守るとはどういうことか?」という意識が芽生え、キャラクターの「スーモ」やSUUMOブランドの利用の仕方について、様々な点で私たちのもとに社内から相談を受けるケースが増えていきました。 社員全員にSUUMOブランドを守ろうとする意識が浸透したのです。
ブランドは築き上げるのに時間がかかる一方、崩れるのは一瞬です。また、ブランドを築くのは社員ひとりひとりの振る舞いにかかっています。
こうした意識をソーシャルメディアのガイドラインの策定と浸透を通して社員が持つようになったことは、強いブランドを作るうえで非常に大事だったと思います。