ユーザー数が驚異的な勢いで増えているLINE
一方、日本国内を中心に絶好調なのがLINEだ。世界230以上の国や地域で利用され、この7月26日には登録ユーザー数が5,000万人に達したと発表した。うち日本が2,355万ユーザー。サービス開始からわずか13ヶ月ということを考えると、驚異的な成長スピードと言えるだろう。
Twitterの1,096日・Facebookの1,325日との比較

先行する国内SNSとの比較では、2012年3月末のユーザー数がmixiで2,711万人、GREEは3,030万人(日本のみ)、DeNA(Mobage)が3,998万人となっている(いずれも決算発表資料より)。Facebookは、3月に行われた「fMC Tokyo 2012」での発表によると、月間利用者が1,000万人という状況だ。一方のLINEは、3月27日に国内1,000万人、世界2,500万人と発表していたので、この4ヶ月で倍増したことになる。
LINEはスマホに “最適化” したのではなく “一体化” したサービス
このLINEの好調さは、もちろんスマートフォンによるところが大きい。LINEの主な機能はチャットと無料通話で、ほぼスマートフォンに特化したサービスだ。いや、特化したというよりもっと強い言い方をしてもよいかもしれない。なにしろ、LINEのアカウントは、物理的なスマートフォン端末と完全に紐付いているのだ。
LINEにユーザー登録するには、音声通話かSMSが受信できる携帯電話番号が必要だ。利用はPC用デスクトップアプリやWebインターフェイス(タブレット端末用)でもできるが、事前にスマートフォンで利用登録しておくことが前提となる。つまり、ひとつのLINEアカウントには、必ずひとつの有効な電話番号が一対一で紐付いていることになる。
それに加えて、LINEではチャットなどでつながる友達を、スマートフォンの電話帳をアップロードして検索する仕組みになっている。日常的に電話やメールを交換しているリアルの友達のみと、LINEでもつながるようになっている。
携帯電話の電話帳から友達を探すインターフェイスはよくある仕組みに思えるが、友だち検索をこの一点に絞り、名前や所属、その他のメールアカウントでの検索を提供していないことが、ソーシャルメディアとしてLINEの面白いところだ(ユーザーIDで検索はできる)。
FacebookとLINE、そのリアルグラフの違い
ソーシャルメディアでは、より影響力が強いリアルの友達とのつながりが形成されなければ、ただの匿名掲示板や出会い系サイトと同じになってしまう。つまり、自分がちゃんと知っていて「ああ、この人が言うことなら」と思える社会性を持った関係が、ソーシャルグラフとして広がっていなければならない。
LINE自身はこれを「リアルグラフ」と呼び、LINEの大きな価値であると認識している。Facebookでは「実名制」という縛りでリアルグラフを実現しようとしているが、LINEはさらにプライベートな「携帯電話の電話帳」以外の関係性を持ち込ませないということで、リアルグラフを担保しようと意図している。かなり思い切ったことをしていると思う。