SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

モーリ・タローの投げっぱなしソーシャル

電話帳によるリアルグラフという一点突破でブレイクした「LINE」、SNS化は吉と出るか凶と出るか

ユーザー数が驚異的な勢いで増えているLINE

 一方、日本国内を中心に絶好調なのがLINEだ。世界230以上の国や地域で利用され、この7月26日には登録ユーザー数が5,000万人に達したと発表した。うち日本が2,355万ユーザー。サービス開始からわずか13ヶ月ということを考えると、驚異的な成長スピードと言えるだろう。

LINEが5,000万ユーザーを達成するのに要した期間は399日
Twitterの1,096日・Facebookの1,325日との比較
LINEが5,000万ユーザーを達成するのに要した期間は399日。Twitterの1,096日・Facebookの1,325日との比較

 先行する国内SNSとの比較では、2012年3月末のユーザー数がmixiで2,711万人、GREEは3,030万人(日本のみ)、DeNA(Mobage)が3,998万人となっている(いずれも決算発表資料より)。Facebookは、3月に行われた「fMC Tokyo 2012」での発表によると、月間利用者が1,000万人という状況だ。一方のLINEは、3月27日に国内1,000万人、世界2,500万人と発表していたので、この4ヶ月で倍増したことになる。

LINEはスマホに “最適化” したのではなく “一体化” したサービス

 このLINEの好調さは、もちろんスマートフォンによるところが大きい。LINEの主な機能はチャットと無料通話で、ほぼスマートフォンに特化したサービスだ。いや、特化したというよりもっと強い言い方をしてもよいかもしれない。なにしろ、LINEのアカウントは、物理的なスマートフォン端末と完全に紐付いているのだ。

 LINEにユーザー登録するには、音声通話かSMSが受信できる携帯電話番号が必要だ。利用はPC用デスクトップアプリやWebインターフェイス(タブレット端末用)でもできるが、事前にスマートフォンで利用登録しておくことが前提となる。つまり、ひとつのLINEアカウントには、必ずひとつの有効な電話番号が一対一で紐付いていることになる。

 それに加えて、LINEではチャットなどでつながる友達を、スマートフォンの電話帳をアップロードして検索する仕組みになっている。日常的に電話やメールを交換しているリアルの友達のみと、LINEでもつながるようになっている。

 携帯電話の電話帳から友達を探すインターフェイスはよくある仕組みに思えるが、友だち検索をこの一点に絞り、名前や所属、その他のメールアカウントでの検索を提供していないことが、ソーシャルメディアとしてLINEの面白いところだ(ユーザーIDで検索はできる)。

FacebookとLINE、そのリアルグラフの違い

 ソーシャルメディアでは、より影響力が強いリアルの友達とのつながりが形成されなければ、ただの匿名掲示板や出会い系サイトと同じになってしまう。つまり、自分がちゃんと知っていて「ああ、この人が言うことなら」と思える社会性を持った関係が、ソーシャルグラフとして広がっていなければならない。

 LINE自身はこれを「リアルグラフ」と呼び、LINEの大きな価値であると認識している。Facebookでは「実名制」という縛りでリアルグラフを実現しようとしているが、LINEはさらにプライベートな「携帯電話の電話帳」以外の関係性を持ち込ませないということで、リアルグラフを担保しようと意図している。かなり思い切ったことをしていると思う。

次のページ
SNS化されるLINE、進化の方向は正しいのだが……

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
関連リンク
モーリ・タローの投げっぱなしソーシャル連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

モーリ・タロー(モーリ タロー)

フリーダムなIT系編集者・ライター
90年代半ばからIT系書籍編集者として『FreeBSD徹底入門』『ウェブログ入門』『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』などを手がける。
2008年に独立し、ソーシャルメディア、オープンソース関連を中心に執筆活動を行う。
2012年4月から、株式会社はてな シニア・エディター。

●hatena: http://www.hatena.ne.jp/mohri
●twitter: http://twitter.com/mohri
●Facebook: http://www.facebook.com/imkt5l

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2012/07/31 19:30 https://markezine.jp/article/detail/16145

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング