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企業のマーケティング活動にO2Oの視点は不可欠な時代へ
カギはブランド体験の提供とクラウドサービスの活用

顧客がO2Oをシームレスに行き来するなら企業もそれに対応すべき

 続いて、NTTコミュニケーションズ株式会社 アプリケーション&コンテンツサービス部 マーケティングソリューション部門 部門長 塚本 良江氏より、スマートフォンとソーシャルで実現するO2Oマーケティングについて、同社がサポートした事例を踏まえて解説された。

NTTコミュニケーションズ株式会社
アプリケーション&コンテンツサービス部 マーケティングソリューション部門 部門長
塚本 良江 氏
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 アプリケーション&コンテンツサービス部 マーケティングソリューション部門 部門長 塚本 良江 氏

 同社では高い技術力と豊富なソリューションで企業のオンラインマーケティングを支援しているが、塚本氏は特に同社が「Bizマーケティング」と呼称している、クラウドベースで提供する様々なレイヤーでのマーケティングサービスを担当。O2Oというと、狭義ではターゲティングメールやクーポンなどのインセンティブでオンラインからリアルの世界へ誘導することを意味するが、塚本氏によると同社では大きな概念として、オンラインとオフラインの両方に集客することだと捉えているという。

 「江端氏も述べられたが、スマートフォンとソーシャルメディアによって生活者自身が2つの“O”をシームレスに動くようになっている。企業のマーケティングは顧客がいる場所を見つめなければいけないのだから、顧客がそのように行き来するなら企業もそうするべき」と塚本氏は指摘する。

 「事実、スマートフォンは爆発的なスピードで普及が進んでいる。メディア接触時間を見ても、2010年から2011年にかけてはPCさえ接触時間が減る中でスマートフォンとタブレット端末は倍以上に伸びている(※参照:アスキー総合研究所「戦後最大のメディアのイス取りゲームが始まっている」)。また、スマートフォンが確実にオンラインへの接触のハードルを下げていることもあり、ソーシャルメディアの接触時間も大幅に増大している。こうした変化を踏まえると、特にスマートフォンを介して顧客と効果的に接触を図ることが、今後のマーケティング施策の大きなポイントになる」

 まだO2Oという言葉が使われ始める前、2007年にローンチした事例として、塚本氏は日本マクドナルドとNTTドコモが合弁会社を設立して取り組んだ「かざすクーポン」を挙げる。システム構築を中心に延べ300億円が投下され、今や会員は2000万人に上りOne to Oneマーケティングも可能になっているが、当然ながらどの企業も真似できる規模ではない。

 だが、前述のように今や企業はそのマーケティング活動にO2Oの視点を取り入れざるを得ない。そこで、同社ではそうした状況に即し、数万円単位と非常に安価で取り組めるクラウドO2Oサービス「モバイルウェブ」の提供を開始している。

数万円単位でO2O施策に着手できるクラウドサービス「モバイルウェブ」

 スマートフォンを介したWeb接触で顧客を捉える、と一言で表しても、企業の担当者が施策を検討するのは、簡単にできることではない。ノウハウがない点も、企業が関心を持ちながらも着手に躊躇する部分だ。

 その点を、「モバイルウェブ」では様々な取り組みを管理サイト上の簡単な操作で行えるように整備している。例えばスマートフォンサイトを作成したり、QRコードや空メール、店頭に据えたカードリーダライターなどのタッチ端末を介して会員を集めたり、さらにメルマガのターゲティング配信のコントロールも可能だ。クーポンやポイントの発行、さらにソーシャルメディアとの連携もサポートしている。

 こうした施策は、単発で終わらせないことが肝要だ。それを踏まえたモバイルウェブの特徴として、塚本氏は「マーケティングシナリオに応じた施策を実施できる」ことを挙げる。クーポンやポイント付与は使いようによってロイヤルカスタマー化を促すことができるが、あるユーザーが店舗で端末に触れた、クーポンを使ったなどの情報が蓄積されていくため、優良顧客化のシナリオを描き、属性や行動別に配信を切り替えて、効果的にCRMを行えるのだ。

 モバイルウェブと併せて、購買行動に大きな影響を及ぼしているSNS上の口コミを分析し、効果的にマーケティングに活かせる仕組み「CoTweet」も導入企業に好評だという。企業のSNS活用の目的について、塚本氏は「集客と対話の2種類がある」と指摘する。前者は短期的なプロモーション目的、後者は時間をかけて顧客との関係性を構築する目的だ。

 同社が米国企業と提携して支援している、健康志向のスーパー「ホールフーズマーケット」では、以前の1アカウントで一方的な発信をしていたTwitterを改め、全米270店舗、5万人の従業員を擁する規模を活かして、現在では顧客との対話を重視して150ものアカウントを運営している。

 直接的に購買を促すよりも、地域に溶け込み、対話を通して信頼を勝ち取ろうという考え方にシフトした結果、こうした施策に至った。「実際に、投稿の85%が顧客との会話。料理のレシピや健康に関する質問など、多様な問いかけに答えることで親近感が増し、売上も上がっている。今、特にアメリカでは企業のSNS活動が対話型にシフトする傾向にある」と塚本氏。また、SNS活用の成功事例として各メディアで目にする機会が多いデルタ航空では、顧客の投稿内容に応じて適切な担当がすばやく対応できる機能を活用し、成果を上げているという。

 「今やほとんどの施策でデジタルデータが取れるので、履歴を分析すれば、O2Oを行き来しながら顧客とのエンゲージメントを構築することができる。スマートフォンとソーシャルの浸透によって、ベタかもしれないが真摯なコミュニケーションが今後のマーケティングの中心になるのではと考えている」と、塚本氏は展望を語った。

資料ダウンロード

 NTTコミュニケーションズ株式会社の塚本氏、株式会社第一興商の小田切氏の講演資料ダウンロードが可能です。ダウンロードはこちらからどうぞ(※クリックすると別サイトへ遷移します)。

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さらなる飛躍を目指しWeb戦略に本腰を入れた「ビッグエコー」

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2012/08/27 14:01 https://markezine.jp/article/detail/16159

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