SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

ネットコン猿・道明寺猿ノ介が斬る!勘違いから学ぶネット広告&ネット経済

サルでもわかるネット広告 同じ画面を見ていても、僕とキミとで広告が違うってどういうこと?の巻


行動ターゲティングについて教えてください!

まず、行動ターゲティング広告はいつごろから始まったんですか?

2006年の1月からテストを始めて、2006年の7月から本格導入をしています

Cookieを使った広告配信というのは、個人個人に応じた配信を行なっているんですか?

いえ、違います。これはですね、コスメに関心があるとか、海外旅行に関心があるといったデータを蓄積していって、ユーザーを関心領域によってカテゴリ分けするんです。それで、そのカテゴリごとに配信しています

そのカテゴリはいくつくらいあるんですか?

だいたい750から800くらいですね

そんなにたくさんのカテゴリに分類できるのは、圧倒的なユーザー数を誇るヤフーの強みですよねぇ。ちなみにクライアント側から見て、人気のカテゴリは何ですか?

自動車、不動産、ファイナンス、旅行・交通といったところでしょうか

ムムム! 閃いた!

このアイデアをヤフーさんに売り込めば有名コンサルになれるハズだ!(猿ノ介)
何ですか?いきなり大きな声をだして

いいことを思いついたぞ。さっきはユーザーアカウントを使って性別や地域に応じた広告を配信していると言ってましたな。あの情報と、このCookieを使った情報を、組み合わせた広告をやればいいんじゃないですか!

(あっさり)ええ。その通りのサービスを、2007年の7月から開始しました

あらら……

たしかに、ヤフーのアカウントの属性と、Cookieによる情報を掛け合わせれば、より細かく対象を絞り込んだ広告配信ができるようになりますよね。「不動産に興味がある」というだけより、「大阪在住で不動産に興味がある」のほうが、ニーズがより明確ですものね

……ユーザーの興味対象に応じて広告配信できるなんて、ネット広告の進歩は、目覚しいですなぁ

このようにユーザーに対して積極的にアプローチできるところが、ネット広告の大きな長所ですね

たしかにデッカイ看板立てて、道行くすべての人にアプローチするよりも、ある単語を検索した人に関連する広告を提示するほうが、効率的ですもんね。他にネット広告の長所はありますか?

効果測定をシビアに行なえるところでしょうか。新聞や雑誌などでは、その広告によってどれだけの効果が出たのか、なかなか測定できませんが、ネットの場合は、このあたりが実に正確に測定することができます

ふむむ。ネットの広告ってのは、効果的にアプローチできて、その成果も測りやすいというわけか……

逆に、インターネット広告の弱点といえば、どんなところですか?

認知広告としての利用が、まだまだ少ないことですかね。ネットの広告というと、クリックして何かを買うというイメージが強く、以前は広告クリエイティビティが十分発揮できないといったことで認知広告としては敬遠されることもありました。でも今は動画広告はじめ十分に他のメディアに負けない状況になってきていると思います。ただ、そういった部分への理解が、他のメディアに比べると弱いですね

なるほど。ちなみに、インターネット広告に積極的な業界には、どういったところがありますか?

この資料は、2004年から2006年における、ヤフーの広告売上高の業界別シェアをまとめたものです。これを見ると、化粧品、食品、不動産といったところが伸びていますね

どんな企業がヤフーに広告を出しているかを売上の%からみた表よ(麗華)
「割合」ということは、数字が下がった=金額が減った、ではないな(猿ノ介)
ヤフージャパン 広告売上高の業界別シェア(%)
2004年 2005年 2006年
金融・保険 21.4 21.6 20.4
情報・通信 18.3 13.3 14.4
外食・各種サービス 17 11.8 9.6
自動車・関連品 7.1 10 9
不動産・住宅設備 7 8.4 9.5
交通・レジャー 4.9 4.9 6
教育・医療サービス・宗教 4 3.1 1.7
化粧品・トイレタリー 3.9 6.7 7
飲料・嗜好品 3.4 5.3 4.3
趣味・スポーツ用品 2.8 3.1 2.9
食品 1.7 2.4 3.3
薬品・医療用品 1.5 1.1 1.5
出版 1.4 1.3 1
流通・小売業 0.6 1.3 0.9
その他 5 5.7 8.5
ネット広告の主流だった「情報・通信」(ケータイ電話など)が占める割合が減ったことも、他業種の伸びを示す形になってますね

全体的な傾向を見ると、ヤフーの広告シェアは、1位が金融・保険。2位が情報・通信。3位が外食・各種サービスでこれに不動産・住宅設備が肉薄しているという状況というわけか……

なるほど。ヤフーさん、いろいろ詳しく教えてくださってありがとうございました

いえいえ。どうぞこれからもヤフーをよろしくお願いします

~場所はかわって道明寺猿ノ介のオフィス~

ねえ、道明寺さん?

なんだね、綾小路クン

やっぱマズイと思うんですよね

何が?

次のページ
ヤフーさんに教わったことをまとめてみるぞ!

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
ネットコン猿・道明寺猿ノ介が斬る!勘違いから学ぶネット広告&ネット経済連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

岡部 敬史(オカベ タカシ)

72年京都市生まれ。『別冊宝島』の編集を経て編集・執筆業。ブログ評論家。著書に『ブログ進化論――なぜ人は日記を晒すのか』(講談社プラスアルファ新書)、『Web2.0殺人事件』(イーストプレス)。『このWeb2.0がすごい!』(日経BP社)。編著書に『このブログがすごい!』(宝島社)などがある。個人のブログは『岡部敬史の編集記』

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2007/08/22 16:52 https://markezine.jp/article/detail/1620

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング