業界を賑わす「Viewable Impression」とは何か
今年3月にcomScore社から興味深いデータがリリースされました。「配信されたインプレッションのうち、31%はユーザーの可視範囲に入ることなく無視されている」という刺激的な調査結果です。正確には、画面上に広告原稿の50%以上の面積が1秒以上露出していることを「InView」と定義しており、それに満たない広告表示が全体の31%に及んでいると言い換えることができます。
こちらのデモページにて、InViewがどのようなものか実感していただけるようになっています。広告枠が青色に光れば、InViewとしてカウントされています。ぜひお試しください。
InViewしているインプレッションを「Viewable Impression」として、この割合をどのようにあげていくべきか。また、InViewしていないインプレッションをどう考えるべきか。ここ数カ月オンラインマーケティング業界を賑わしている話題のひとつです。国内ではコスモロジー社が、InViewしなかったインプレッションコストの請求を行わない「次世代インプレッション保証型広告商品」をリリースするなど、具体的な商品も登場しています。
しかしながら、実際の運用でこの「InView」という指標を活用するにあたり、キャンペーン全体の Viewable Impressionsの割合を高めることが必ずしも正しいとはいえません。CPM(Cost Per Mille)単価が低ければ、Viewable Impressionsの割合が低い広告枠も「買い」の判断になり得ます。
つまり、「InView率」が低い「成功キャンペーン」が存在するということです。本稿が、ただ単にViewable Impressionsの割合を高めるのではなく、正しくInViewを使いこなすためのヒントになれば幸いです。
Viewable Impressionsを運用にどのようにフィードバックしていくか
フリークアウトでは、DSPの開発、広告主様へのプランニング、運用、レポーティングといったサービス提供を行なっており、Viewable Impressionsの測定についても複数のキャンペーンで実施しています。下記に、弊社での運用最適化のステップをご紹介します。
- 運用目標を設定する(たとえば「Viewable Impressionsを効率的に獲得する」など)
- 通常通り配信し、広告枠ごとのViewable Impressionsの割合を測定する(=「InView率」とします)
- 広告枠ごとにViewable Impressionに対して支払った実質CPMを算出する(CPM50円の広告枠で、InView率が50%だった場合、Viewable ImpressionあたりのCPMは100 円)
- Viewable ImpressionあたりのCPMが一定額以上であった(もしくは上位20%など)広告枠への配信を停止し、効率の良い広告枠買付に予算を配分する
このような流れで、1.で設定した運用目標を達成すべく配信先広告枠の精査を行います。