小さな目標:コンセプトダイアグラムを描き、ユーザ視点で考える
大きな目標が決まったら、小さな目標を考えていきます。小さな目標を考えるにあたっては、オウンドメディアとユーザの関係を図で可視化する「コンセプトダイアグラム」という手法を紹介します。
コンセプトダイアグラムについては、一昨年にロフトワークで開催したアクセス解析研究会で清水誠氏が紹介した手法です。
コンセプトダイアグラムは、「どのようなユーザが、どのような経路でサイトにたどり着き、どのような体験をして、ゴールに至るのか」というストーリー(仮説)を図にすることで、ロジカルな目標設定につなげる手法です。小さな目標は、このユーザが体験していくストーリーの中に見えてきます。
また、図解することで上司や他の関係者とも内容を共有しやすくなるという利点もあります。実際に、筆者の運営するサイトを例に作ったコンセプトダイアグラムの第一弾がこちらです。

起点は最上部の「ニーズ」です。サイトに訪問するユーザを大きく2種類に分け、それぞれのユーザがどのようにサイトに訪れるかの流入経路、そして訪れた先でおもてなしをするコンテンツ、おもてなしをした結果のゴールが最下部という流れです。この時点では、大きな目標のみ赤枠で囲って置いています。
さらにこの図を元に作りなおした図がこちらです。

エンゲージメントという「繋がり」の視点を取り入れながら、それぞれのブロックでゴールに結びつく可能性のある小さな目標を黄色い四角でマッピングして行きました。
いずれの小さな目標も、ゴールを達成するためにチェックしておきたいと思った指標です。特定のフォーマットはありませんが作成のためのTipsは以下です。
細かくしすぎないこと
細かくしすぎると、全体が見えなくなり、関係者間での共有が難しくなります。
「こうありたい」や「こうであるはず」という仮説で作ること
図に正解はありません。仮説で良いので、描き始めることが大事です。
何度も作りなおしながら精度を上げていくこと
最初に描いた図は、時々見直し、追加や修正をしながら精度を上げていきます。
複数名で作ること
1人で作成すると、複雑すぎたり、主観的すぎる図ができてしまうので、2~3名で議論しながら作れるとよいです。
コンセプトダイアグラムは、新しくオウンドメディアを立ち上げる方はもちろん、既に運営されている方が作っても新たな発見ができる手法です。重要なのはこの小さな目標をオウンドメディアを運営する担当者が意識として持つことです。
目標設定や戦略策定のプロフェッショナルに、コンサルテーションしてもらうことも悪くはありませんが、担当者自身が、指標の意味や重みを理解し設定することで、はじめてPDCAというサイクルが動き出します。
- 小さな目標は、ユーザとオウンドメディアの関係を図解するコンセプトダイアグラムで考える
- 運営担当者自身が、自ら設定した指標の意味や重みを理解することでPDCAがまわりはじめる