問合せ窓口は何個あるだろうか?
「自社のWebサイトに問合せ窓口は何個あるか?」
私がコンサルタントとしてBtoBのWebマーケティングの建て直しにアプローチするとき、真っ先に考えるテーマである。問合せ後のフォローがうまく行かないとご相談を受けた、精密機器・検査機器を扱うI社のご担当者にも、直球で冒頭の質問をしてみた。すると、ご担当者は不思議な顔をしながら問合せ窓口は1つだと教えてくれた。
「なぜ、問合せ窓口はひとつなのか?」という理由をさらに尋ねていったが、
- 他の部門のWebサイトでも問合せの場所がだいたい一緒だった
- Webページでどんな内容を訴求するかに専念してそこまで考えていなかった
- フォームの作成費が高かったのでとりあえずシンプルなものを1つ用意した
など、いろいろなお話は出てくるのだが、なかなかはっきりとした理由がでてこない。つまり、「問合せフォームを1つにした」積極的な理由はないのだ。
BtoBのWebマーケティングを考え始めたばかりの企業では、I社と同様にとりあえず問合せフォームが1つしかないというケースは多い。
それが熟慮された結果、積極的な選択として1つの問合せフォームに集約されているのならばよい。しかし、たいていは、Webページの情報をどうするのかに気をとられ、問合せフォームの情報をどうするかはおざなりにされることがほとんど。残念ながら、問合せフォームの情報設計は、後回しになりやすいのだ。
しかし、よく考えてみよう。問合せフォームは顧客が実際に足跡を残して問合せをするか、否かという重要な役割を担っている。
実際にしっかりとWebマーケティングで成果を上げている企業では、問合せフォーム設計は熟慮されたものばかりだ。そのことを体感していただくために、I社様には他社の問合せフォームの状況を当社と一緒に調べていただくことになった。
他社の問合せ窓口はどうなっているだろうか?
まずは特定の製品に絞り、I社の競合となる企業の中からWebマーケティングが進んでいると思われる5社ピックアップした。5社の製品Webサイトの中に、顧客からコンタクトがとれる問合せ窓口がいくつあるかを調べてもらう。すると、一番多いサイトで5個、一番少ないサイトで1個、平均2.6個の問合せ窓口があることが分かった。
内訳は、カタログ請求、資料ダウンロード、テスト機貸し出し、見積もり依頼、検査データサンプルのダウンロード、などさまざま。もちろん、総合問合せ窓口1つで片付けている会社もあったが、それは1社のみ。I社に比べ、他社は非常に窓口が分かりやすい。
次に、問合せフォームごとの設問を調べてもらう。問合せフォームが1つしかないサイトを除く4サイトのうち、2サイトがフォームごとに設問を変えている。さらに、フォームの数が増えるほど、設問の数も増えていく傾向にあることが分かった。調査サンプル数は少ないが、問合せについて深く考える示唆的な結果だ。
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