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COLUMN

エアアジア・ジャパンのグローバルWebマーケティング戦略~コンセプトは「ユーザーにとっての楽しい場づくり」

 機体やフライトアテンダントの制服に鮮やかに配された、ブランドカラーの赤が印象的なエアアジア。今年8月1日に日本就航を果たした同社は、マレーシア本社を中心に、世界各国に広がるグループ会社全体でソーシャルメディアへの取り組みを積極的に展開している。エアアジア・ジャパン株式会社のデジタル・マーケティングチームの佐伯陽子さんに、その体制や注力している点についてお話をうかがった。

最終的な購買の場はオンライン

 全日空の連結子会社であるLCC(ローコストキャリア)、エアアジア・ジャパンは、ピーチ・アビエーション、ジェットスター・ジャパンに続き、LCCとして本邦3社目の市場参入を果たした。8月1日の就航時の記念式典では4,000席を片道100円で発売することを発表して話題になったことは記憶に新しい。各種メディアで紹介されたほか、同月末には経済ドキュメンタリー番組『ガイアの夜明け』(テレビ東京)にも大々的に取り上げられた。現在、成田発着便は札幌、福岡、沖縄を結ぶ3路線を運航し、韓国への就航を準備中だ。(2012年9月初旬時点)

 日本航空や全日空などのレガシーキャリアは、旅行会社を通してチケットを販売しているが、エアアジア・ジャパンなどのLCCを利用する場合、チケットはインターネットを通じて顧客が自ら手配するのが一般的だ。つまり、顧客と直接対面する店舗を持たないLCCにとって、購買の場はオンラインになる。そのため、認知からサイト来訪、購買までの全体の流れをいかにうまく構築するかが事業のカギである。

エアアジア・ジャパンのホームページ(2012年9月初旬)

 そこで大きな原動力になっているのが、ソーシャルメディアだ。エアアジア・ジャパンはマレーシア・クアラルンプール本社のソーシャルメディアチームをハブとし、グループ全体で積極的にソーシャルメディア・マーケティングに取り組んでいる。

 たとえばFacebookページは本国のほかに日本や香港、フィリピンなどアジア各国、オセアニアはオーストラリアとニュージーランド、ヨーロッパはフランスとイギリスと、全15のページを展開。Twitterは日本を含めて8か国のアカウントを運営中だ。ほかにもその国特有のSNSやYouTube、Instagramなども活用している。

エアアジア・ジャパンのフェイスブックページ(2012年9月初旬)

ソーシャルメディアはユーザーとの唯一の相互コミュニケーションの場

 エアアジアのソーシャルメディア・マーケティングの取り組みにおいて注目すべき点は、各国のソーシャルメディア上でのさまざまな出来事が、そのままグループ全体のケーススタディとして蓄積されていることだ。つまり、国を超えて成功例や施策を共有し、水平展開していくことが日常的に行われている。

 エアアジア・ジャパンのデジタル・マーケティングチームの専任スタッフは2名だが、「本国や各国のメンバーがいるので、バックアップ体制は心強い」と、同チームの佐伯さんは話す。

 「エアアジア・インドネシアのFacebookページで『いいね!』が多かったネパールの首都・カトマンズの記事を日本のFacebookページにアップしたり、逆にこちらで上げた北海道の情報がタイのFacebookページで取り上げられたり。他国のキャンペーン情報なども、本社を介して把握しています」

 佐伯さんは、前職でECサイトの運営に7年ほど携わり、広告展開やSNS施策なども手がけた後にエアアジアへ。現在は国内のソーシャルメディア運営を含めて、サイト構成やWebキャンペーンなどオンライン施策全体を統括している。

 前述のように最終的な購買の場がオンラインにあるので、同社にとってソーシャルメディアは単なる情報発信やファン作りの手段ではなく、事業に直結する重要なツールだ。そのため運営チームはマーケティング部に属している。加えて、店舗がない同社ではソーシャルメディアが唯一の相互コミュニケーションツールでもあるので、「決して一方的にならないよう、ユーザーの反応を見ながら進めています」と佐伯さんは語る。

エアアジア・ジャパン株式会社
デジタル・マーケティングチーム 佐伯陽子さん

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/09/14 08:00 https://markezine.jp/article/detail/16319

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