まず押さえるべき4つのポイント【(1)、(2)】
ECスタートアップの際、押さえるべきポイントの「(1)ショップコンセプトを定義すること」、「(2)売り場を決定すること」、「(3)利益試算(シミュレーション)を徹底すること」、「(4)競合・業界を知り尽くすこと」とは具体的にどのようなことなのでしょうか。それぞれ詳細を見ていきましょう。
(1)ショップコンセプトを定義する
まずはじめに、お客様に愛され、支持されるために「ショップコンセプト」を定義していきましょう。
数多くのECショップが立ち並び、検索エンジンで検索すれば同一商品を扱う複数の売り場が数多くヒットする。そんな群雄割拠、極まりない状況の中で「お客様はなぜ、他店ではなくてこのお店で買ってくださるのか?」
この質問にECショップオーナーは、真摯に向き合わなければなりません。この質問の回答として用意しなければならないのが、「ショップコンセプト」です。数多く立ち並ぶ他店との違いを明確にし、はじめてのお客様にもストレートに伝わる、ショップの強みや独自性を定義しなければならないのです(ショップコンセプトの具体的な定義の仕方については次回解説いたします)。

(2)売り場を決定する
次に、売上を伸ばすための「売り場を決定」します。
「東京都内で原宿本店と渋谷店を現在出店中。さらには品川店を新規出店することで、あらたなターゲットの誘致と売上拡大を狙う!」。このような複数店舗展開の話は、実世界のリアル店舗においては、普通に耳にするような内容ですね。
ECサイトの世界においても、複数の場所に店舗出店をするのは当たり前になっていることにみなさまお気づきでしょうか。
例えば、オリジナルドメインの自店舗を1店舗だけ立ち上げたとしましょう。自前集客だよりの実店舗だけですと、購入客獲得数にはすぐに限界が来てしまうことでしょう。特にECサイトを立ち上げたばかりのフェーズでは、閑古鳥が鳴いてしまうほどの極少ない顧客数となることも珍しくはありません。
ECスタートアップの際に、すぐに一定量の顧客数を確保し、売上を上げていくためには、自前店舗だけでは相当な苦労をすることでしょう。自店舗だけでなく、楽天、Yahooストア、Amazon等の複数の売り場で複合的に販売展開を行うことで、ECスタートアップフェーズでも、迅速に売上をアップすることができるようになるのです。スタート時から3~4店舗での同時展開を想定し、情報収集を進めて行きましょう。
複数店舗での展開を想定する一方で、一点気をつけなければならない重要なポイントがあります。それは、自店舗以外での売り場活用を行う際には、手数料支払いによる利益低減、顧客リストの保有権、多店舗連携の手間などの課題も同時にでてくるということです。複数店舗展開の、メリット・デメリットを熟知した上で、多店舗展開の配分コントロールをしていくことも必要になってきます。
