ビュースルーコンバージョンの重複カウント問題
では、データを含めた具体的な事例を見ていこう。以下は田中氏が解説する。

「ビュースルーコンバージョンを計測する場合を見てみよう。この場合、DSP→純広告→DSP→アドネットワーク→ポータルで検索→流入→CVというパスを描いている。アクセス解析/効果測定ツールでビュースルーコンバージョンを計測しようとすると、それぞれがカウントしてしまい、ビュースルーコンバージョンは4件とカウントしてしまう場合がある。

代表取締役 田中弦氏
第三者配信アドサーバーであれば、最後にビューしていた媒体、すなわちここで言えばアドネットワークのみをビュースルーコンバージョンとしてカウントし、重複をさけることができる。
実際、約3億impのうち、ビュースルーコンバージョンは約70%の重複が起きていた。アトリビューション分析を行うためには、広告の重複を排除してコンバージョンを計測することが必須だが、これまでの測定方法ではデータを信用することがむずかしかった。第三者配信アドサーバーを導入することで、はじめて広告及び媒体を正しく評価することができるようになる」(田中氏)
顧客の態度変容プロセスから文脈を見い出す
第三者配信アドサーバーが登場したことにより、ビューまで含めたコンバージョンパスデータが見えるようになってきた。セッションベースではなく、クッキーベースで1人のユーザーがコンバージョンするまでの一連の流れをカスタマージャーニーと呼ぶ。

田中氏は旅行旅行代理店のユーザーコンバージョンまでのデータをもとに、解説を始めた。
「このデータから、顧客が何を考えているのかまで見えてくる。まず、この顧客は8月16日20時59分、ヤフーで『旅行』というキーワードで検索を行った。そしてここから、Googleのリマーケティングが始まった」(田中氏)
「8月20日から8月27日の間で、韓国からグアムに心移りしたところに、テレビCMの影響などもあるかもしれない。それを想像するのも面白い」(横山氏)
「このデータは、単にサーチだけ計測していているのとはぜんぜん違う。初めに検索したところから、何度もリマーケティングにひっかかって、だんだん興味をもって、買おうという気持ちに変化した。このようにセッションごとに時系列に並べてみることで、顧客が何を考えているのかわかってくる。
媒体ごとに評価をするのではなくて、顧客がどのように行動をしていて、その行動にきっかけを与えた媒体が何かわかること。それがカスタマージャーニーの非常に面白いところであり、これこそアトリビューション分析を行う際のもとのデータとなる」(田中氏)