アトリビューションが注目されている背景
アドテクノロジーの進化により、「アトリビューション」というキーワードに注目が集まっている。コンセプト自体は特に新しいわけではなく、端的に言えば成果に対する広告の貢献度を明らかにすることだ。それが昨今のアドテクノロジーにより、なぜ再注目されているのか、どのような可能性を秘めているのかを追っていく。
「今回のアドテック東京でも非常に注目度が高いアトリビューションというテーマ。なぜ、いまアトリビューションが注目されているのだろうか」と横山氏はセッションの口火を切った。
「弊社はAttribution.jpというサイトをやっており、私自身もアトリビューションの分析やコンサルティングを業務として行っている。なぜいまアトリビューションが注目されているのか。簡単にいうと、実際第三者配信エンジンでコンバージョンパスデータを得ることができ、データの見える化が進んだ。それに基づいて分析することでコンバージョンがあがるようになったからだろう」(有薗氏)
「Fringe81は第3者配信アドサーバーを自社開発しているテクノロジーベンチャー。アトリビューションが注目されている理由は、今まで取れなかったデータがとれるようになって、さらに広告主の売り上げやコンバージョン数が増えるという実績がでてきたから。これはとてもクールなことだ」(田中氏)
そして、今回唯一の広告主側の登壇者、資生堂の葛西氏は「私は広告業務に携わっていおり、広告評価・費用対効果は長年の課題だ。今回、そのアトリビューションによって長年の課題が解決できるのでは、と期待している」と語る。
続いて、ブレインパッドの草野氏。「弊社は大量データの分析を企業から預かって行う仕事をしている。アトリビューションが注目されている理由は、データの見える化が進んだことによって、これまでネットの中でのユーザーの行動、つまり態度変容の推移などが見えるようになったこと、そして知りたいニーズの高まりがある。また、ビッグデータというキーワードに関心も高まっていて、大量データの分析がコモデティ化し始めて、いろんな人がトライしやすい環境になってきたことも大きい」