マスメディアを含めたアトリビューション分析
では、マスメディアをも含めたアトリビューション展開における、分析はどのようにすすめていくのだろうか。これからの重回帰分析モデルを草野氏が解説する。

「現状のマーケティングにおいては、メディア毎に出稿とレスポンスを計測し、ROIを算出している。テレビはテレビ、WebはWeb、それぞれメディア毎にROI分析をしている。これからは、それぞれのメディア毎の出稿に対して全体のレスポンスをとらえて、全体として広告費の配分を考え、メディアミックスで全体のROIを最大化していくことが課題である」(草野氏)

「そのアプローチの一例が上記の資料だ。例えばメディア出稿に関して、金額や回数、期間、クリエイティブといった要素、加えて競合の出稿状況やイベント情報、Twitter月源数など、考えうるできるだけ多くの要素をいれて、分析をかけてみる。
すると、どういう要素が広告やプロダクトに関するレスポンスを引き出すのに貢献しているのかがわかってくる。それをもとにプランニングを組み換え、徐々に精度をあげていく。
これによって、メディア別の貢献度や、直接効果・間接効果が見えてくる。そして最適な出稿期間や出稿回数などがだんだんとみえてくる」(草野氏)

「現在が左側の図とすると、最適配分することで、(1)の棒グラフのように宣伝広告費を下げて利益を確保したり、あるいは(2)のように同じ宣伝費で効率を上げることで利益を伸ばすなど、企業の状況や目標によってコントロールできるようになる。
つまり、インプットとアウトプットの関係がわかることで、どれくらいの売上目標に対して、どれだけの投資をしたらいいのかが事前にシュミレーションできるようになるのだ」(草野氏)
最後に田中氏は「今は、すごくいい時代になってきた。100万人、1,000万人分のWebのデータがとれる。そしてもちろん、テレビのデータも持っている。分析できる人もいる。かなり高い精度のアトリビューション分析ができる環境が整いつつある。アトリビューションは広告主の期待に応える、レスポンスを増やす道具に本当の意味でなってきた」と締めくくった。