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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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FEATURE

すべての広告人に捧ぐ!『2012年 世界の凄いプロモーション12選』

パート2:今年注目を集めたO2O型プロモーション

 今年、日本の広告業界で話題になったO2O(Online to Offline)。世界に目を転じてみても、特にQRコードを活用したO2O型プロモーションは増加傾向にあります。このパートでは、O2Oを活用した巧妙な事例を3つ紹介します。

コーヒーカップのスリーブにQRコード付ニュースを印刷して、新規購読者を開拓

国名:アラブ首長国連邦(UAE)/業種:新聞社/企業名:Al Nisr publications/参考資料(YouTube)

 中東UAEで最も読まれている英字日刊紙『Gulf News』による、購読者数の増加をねらった事例。同社はターゲット層が朝コーヒーを飲むタイミングで「新聞を読む習慣」があることに着目し、国内の大手コーヒーチェーンとタッグを組んでプロモーションを企画。

 お客さんがコーヒーチェーンでホットコーヒーを注文すると、店員は専用の印刷機でコーヒーカップのスリーブ(紙製ホルダー)にニュースのタイトルを印刷します。印刷されるのは、Gulf NewsのTwitterアカウントがTweetしたもの(すべてWeb版のニュースタイトル)。該当のニュース記事にアクセスできるQRコードもスリーブに印刷されており、お客さんはコーヒーを飲みながら携帯でQRコードを読み取って、記事の詳細を閲覧することができるという仕様になっています。

 この施策の結果、開始2週間でニュースサイトへのアクセス数は41%増えて、新聞の購読者数も2.8%アップ。ターゲットのインサイト・商材の利用シチュエーションを捉えた見事なプロモーションですね。

“太陽光が演出する”ランチタイム限定のQRコードで
韓国大手スーパーが売上を25%アップ

国名:韓国/業種:スーパーマーケット/企業名:Emart/参考資料(YouTube)

 正午から午後1時までのランチタイムに買物客が著しく減少し、売上が思うように伸びないという課題を抱えていた韓国大手スーパー Emart。同社は、「ランチタイム限定で特別な体験を顧客に提供すること」をコンセプトに、『Shadow QR Code』なるプロモーションを企画。屋外に設置されたこのQRコードは、“太陽の傾き加減”により正午から午後1時までの時間帯にだけスマートフォンで読み取りが可能になるという代物。

 このQRコードをユーザーがスマートフォンで読み取ると、「Sunny Sale」というページに遷移し、もれなく12ドル分のクーポンをゲットすることができます。ユーザーはそのままスマートフォン経由で、クーポンなども使ってEmartに商品を注文して、自宅に配達してもらうことができるという仕組み。

 ソウル市内36か所にこのQRコードを設置した結果、12,000クーポンが使用され、前月比で会員数が58%増を記録、ランチタイムの売上は25%も増加し、各種メディアでも大々的に取り上げられ大きな話題になりました。スマートフォンを活用して、顧客が喜ぶ接点を自ら創出し、実売にもつなげる素晴らしい取り組みです。

ギネス・ビール、世界初の「QRコードグラス」でBuzzを誘発

国名:アメリカ合衆国/業種:アルコール飲料/企業名:Guinness & Co./参考サイト(Ads of the World)

 黒ビールでおなじみのギネス。ビールを注いでグラスの表面に特殊なQRコードを描くという企画。こちらのQRコードはグラスが空の場合や、普通のビールでははっきりと表示されず読み取ることができません。“ギネスの黒ビールで”グラスを満たしたときにはじめてQRコードがはっきりと表れ、スマートフォンで読み取ることができるようになるという仕掛けです。

 QRコードを読み取ると、このユニークな仕掛けについて、「Tweet」「Facebookで共有」「foursquareでチェックイン」「instagramで写真投稿」のいずれかを選択して実行するように促されます。ソーシャルメディアを通じて拡散することで、お得なクーポンをダウンロードできたり、クーポンを友達にプレゼントして、今いるバーに招待することもできます。

 思わず誰かに共有したくなるユニークなPRグッズ。楽しい仕掛けにより、体験した顧客を介してその友達・知人をバーに呼び寄せることにつなげるという巧妙な手法です。

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パート3:タブレット端末を駆使したユニークなプロモーション

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山田 健介(株式会社PR TIMES)(ヤマダケンスケ (PR TIMES))

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MarkeZine(マーケジン)
2012/12/18 11:00 https://markezine.jp/article/detail/16744

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