スマホ経由の予約数が倍以上に増加
LINEでメッセージを配信した際のユーザーの反応をたずねたところ、「メッセージ配信後の一時的なアクセスはサーバーがダウンしてしまうほど。その瞬発力・爆発力は通常の我々が行っていたフィーチャーホンのモバイル会員向けの施策とは違うと感じている」と石原氏は語る。

また、費用対効果の指標については、「メッセージ配信時の開封率、LINE経由のスマホアクセス数などを計測している。LINEだけの影響かどうかは断定できないが、スマホ経由の予約数は倍以上に増えており、予約数もリアルに増加している。瞬間的には9割以上がLINEからのアクセスという時間帯もある」
目指すは1,000万人にリーチできる媒体
公式アカウント開設やスタンプ配布など、一連のLINEマーケティングの施策は「学生の卒業旅行シーズンに合わせて、施策を仕掛けた」と石原氏は語る。
「エイチ・アイ・エスは若者への訴求が得意と言われているが、継続的に若い人にアプローチしていくことは欠かせない」(石原氏)

例年、エイチ・アイ・エスは学生旅行の広告費を予算化して投下してきた。これまでは販促物の作成や学生向けの特別キャンペーンなどに費やしてきたが、今年はそれらを一切やらずに、LINE施策へ投資した。つまり、LINE施策に予算を一点投下したのだ。
「結果として学生旅行の予約数は順調に増えており、LINEでの訴求は間違っていなかった。もちろん、LINEが全てではない。また違う新しいメディアが登場し、それによってリーチできる顧客が増えるのであれば、積極的に活用していく。
またリーチできるユーザーをできるだけ多く増やしていけば、さらに新しいものがみえてくると思う。公式アカウントの友達の数は現在約300万人だが、1,000万人を目指して今後も新たな施策を仕掛けていきたい」(石原氏)